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荼毘side
「＿＿＿行きたいです！荼毘さん！」
「………………は？」
予想外のAの言葉に、俺の口からは驚きの声が出た。
「危険だってわかってます！でも……ダメですか？」
俺を見上げる期待に満ちた目と、こちらが引かなくてはいけないような状況に思わず視線を逸らす。
逸らした視線の先は白い壁。
そのまま、口元を隠すように顎に手を当てて考える。
(相手はイカレ女だ……。何が起こるかわからない上に、どちらが見つかっても即アウト……。)
もしトガが捕まったら自分の立場さえ危うい状況なのだが、正直トガのことはどうでもいい。
俺にとって1番大事で、1番問題なのはAだ。
捜査の手がどこまで伸びているのかは不明だが、Aが行方不明者として、ニュースで報じられていたのは知っている。
……どう考えてもデメリットしか思い浮かばない。
(本来なら、行かせるべきじゃないが……。)
ふと、Aの顔に目を向ける。
未だ変わらぬ期待に満ちた目が、揺れていた。
(いや、断りにくいだろ……。)
Aを無理矢理ここに連れ込んで来た俺が言うのもなんだが、此奴を悲しませたくなかった。
あまりに危険な賭けであるが、どうしても否定できなかった末、折れたのは俺の方だった。
「……今回だけな。」
腑に落ちない気持ちを抱えたまま、俯き気味にそう言った。
＿＿＿だが、Aの顔を見た瞬間、俺の心が曇ったのを感じた。
(なんだ、その笑顔…………。)
不安そうな表情から一転し、ぱっと明るくなったAの表情。
そんなにも嬉しそうに笑った顔を、俺は見たことがない。
「ありがとうございます…！！じゃあ準備してくるから待っててね、トガちゃん！」
どこまでも楽しそうに弾んだ声と笑顔は、すべてトガに向けられていた。
「ゆっくりでいいですよ！荼毘とお話して待ってるので♪」
突如襲ってきた、例え難い物憂い。
それでも平然を装って、トガの言葉に反応する。
「……それは嫌だからなるべく早くな。」
「あ、女の子の準備時間を急かしちゃダメですよ！」
トガがまた何か文句を垂れているが、どうでもよかった。
さっきのAの笑顔が頭に浮かび上がる。
(いや、たかが笑顔くらいで……。)
……そうだ。たったそれだけの、小さなことだ。
なのに、ベッタリとした煩わしいものが俺にまとわりつく。
リビングへとに向かうAの背中を、俺はただただ見ていた。
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如月 - 荼毘さんかっこよすぎます！続き書いてくれると嬉しいです！(*´∇｀*) (5月15日 21時) (
レス) @page22 id: 144d29d1f5 (このIDを非表示/違反報告)
ふふ - 続きを正座待機。最高かよ!!!! (2023年4月14日 17時) (レス) @page22 id: bc020e7b09 (このIDを非表示/違反報告)
よっすぃ - 続きが見たいです……… (2022年12月16日 7時) (レス) @page5 id: 93ab21d600 (このIDを非表示/違反報告)
檸檬 - 続き…続き…続きｦ… (2022年12月5日 8時) (レス) @page22 id: 1a035e157b (このIDを非表示/違反報告)
かのん - 続き…書いてくれると嬉しいです… (2022年12月4日 20時) (レス) @page22 id: 19794637f9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那カイ | 作成日時：2020年1月19日 20時
