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「そろそろどいてください…。」
未だに私の上にいる荼毘さんに呼びかける。
体が熱くて、心臓の鼓動も早くて、これ以上は恥ずかしくてどうにかなりそうだった。
意外にも、荼毘さんは何も言わずにどいてくれた。
その行動に驚きながらも一安心していたが、それも束の間だった。
「ここに座れ。」
荼毘さんは自身の脚と脚の間に、私を座るよう促している。
その行動に私は体が固まる。
昨日も嫌々座らされ、その結果とことん散々な目に遭った。
「何もしねぇよ。」
私の気持ちを察したのかもしれないが、非常に信じ難いことを言っている。
だが、私に選択肢はないのだろう。
渋々座った私は、また後ろから抱きしめられる。
(まだ慣れない…。)
異性にこうやって抱きしめられたことなど1度もない私は、なんとも言えない気持ちになった。
だけど、恥ずかしいことに変わりはなくて。
こういうときはどういう態度を取るべきなのか…などと考えている私なんかお構い無しに、荼毘さんは首筋に顔を埋めてくる。
「結構落ち着くもんだな…。」
「そう、なんですか…？」
顔は見えないが、落ち着いた声音だけが、荼毘さんの心情を表しているようだった。
…『落ち着く』と言ってもらえたことが少しだけ、嬉しかった。
「“敵連合”って知ってるよな？」
唐突にそんなことを聞かれた。
荼毘さんの意図は分からないが、反社会的勢力である組織『敵連合』の存在は知っている。
とは言ってもニュースで見たことがある程度だが。
「知ってますけど、なんで…」
そこまで言ったとき、意味を察してしまった。
「…お前、本当やべぇ奴に目付けられたよな。」
はっきりとしていない、遠回しな言い方。
だけど、つまり…そういうことなんだろう。
＿＿そこで非常に冷静な自分がいることに気づく。
『敵連合』というあまりにも危険な組織の一員と関わっていたことを知ったら、今すぐにも逃げ出したい衝動に駆られるのが普通だろう。
なのに一切の恐怖は感じなかった。
＿＿それよりも、少しだけ震えていた荼毘さんの声音が気になって。
「案外驚かないもんだな…。まあ、お前は俺の人殺しを見てたし、今更って感じか？…それとも気づいてたか？」
「…いえ、全然分からなかったです…。」
俯いたくぐもった声が聞こえたと同時に、回された腕に力が入ったのを感じた。
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ユア - はじめまして。すごくお気に入りになりました。更新楽しみにしています(*´`) (2021年8月25日 16時) (
レス) id: ca5ea56c38 (このIDを非表示/違反報告)
刹那カイ(プロフ) - はにか※はにかんさん» コメントありがとうございます！そう言って貰えてとても光栄です！気長に待っていただければ幸いです…！頑張りますね！ (2020年1月19日 16時) (レス) id: a642ec9f2d (このIDを非表示/違反報告)
はにか※はにかん(プロフ) - まって、読んできた中で上位に入るぐらい面白いです！無理せず続き頑張ってください！気長に待ちます！ (2020年1月19日 15時) (レス) id: d702d64ecc (このIDを非表示/違反報告)
刹那カイ(プロフ) - 安里さん» コメントありがとうございます！いい夢見れるんですか！？笑笑嬉しいです！更新スピード上げられるよう頑張ります！！ (2020年1月14日 8時) (レス) id: a642ec9f2d (このIDを非表示/違反報告)
安里(プロフ) - 毎日楽しみにしてます！！いつも寝る前に読むのですが、キュンキュンしすぎて全然寝れますせんでもいい夢見れますありがとうございます！！ (2020年1月13日 23時) (レス) id: 04b0ac31ad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：刹那カイ | 作成日時：2019年11月3日 13時
