妖に捧げられる生贄少女 (ページ16)

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まふ「恋敵多いですね」そら「そうだね～」まふ「そらるさんもでしょ」ページ16

そらるside

まふがこんなにも誰かを本気で好きになるのなんていつ以来だろうな

人なんて、って言って避けてきたまふが、なぁ

そりゃあ、俺としては嬉しいさ

でも＿＿

どうして＿＿

A、なんだよ…

…あぁ、駄目だな、俺。

この想いは、隠しておかないとな。

口に出せばまふが傷付く。

もうまふが傷付く所は見たくないんだ。

まふが傷付くくらいなら、俺が傷付けばいい。

恋情なんて、捨ててしまえ。

いくらそう思い込んでも

目線をあげれば仲良く話すまふとA

どうして、そこにいるのは俺じゃないの？

俺が一番最初に、君と出会ったのに。

とめどなくどす黒いどろどろした感情が溢れ出てきてしまう。

そら「っ、俺もうお腹一杯だから、部屋戻るな～、まふ、何かあったら呼べよ？」

上手く、普通でいられたかな。

ちゃんと、笑えたかな。

まふ「はい！わかりました！」

よかった、気付かれてない。

いいんだよ、これで。

まふが幸せでいられるなら、俺は、

俺、は…

部屋に逃げ込んでその場に座り込む

そら「っはは…そんなの、戯れ言だ…」

ただ、独り、静かに涙を流した。

『戯れ言って、何？どういう事？』

静かな部屋に、君の声が響いた。

そら「な…んで、」

貴『…様子が可笑しかったから、何か無理して笑ってた気がした。』

この子は、Aは本当に凄い。

上手く、欺けたと思ってたのに。

数千年一緒に生きてきたあいつらでさえ、気が付かなかったのに、

会って一日も経たない君が、気付いてしまう。

やめて、そんな事、気付かないでくれよ。

また、君を好きになってしまうから。

まふの邪魔は、したくないんだ。

まふの幸せ、守らせてくれよ…。

貴『…そらるさんが何を隠してるのかは知らないよ。けど、』

そらるさんは頑張ってるんだよ、だから、たまには自分に甘えてしまってもいいんだよ。

なんて、今日会ったばっかのやつが何言ってるんだろうね…と困ったように笑う君の笑顔はとても儚くて、綺麗で、ずっと見ていたい、って思ってしまった。

そら「俺は…もう…我慢しなくて、いいの？」

押し留めてきた気持ちが、弾けたみたいにぼろぼろと溢れていく。

そら「俺も、幸せになりたいって、思っていいの？」

貴『…うん、いいんだよ。生き物全てに皆平等に幸せになる権利がある。だからそらるさんも幸せになってもいいんだよ』

～～～～～
そらまふに取り合いされるって最高ですよn((