そらる…言の葉ことは ページ10
「うっ、うぅ………ヒック………はぁ……」
「そろそろ泣き止めよ…………。あんな奴のこと、忘れろよ。」
私は今日、彼氏に酷いフられかたをされた。
私はその時、泣くことも、返事をする事も出来なかった。
その後、泣きながらそらるさんの家に飛び込んだ。
そして今に至る。
「だってっ……信じてたんだもん…………。」
「わかったよ。わかったから泣き止め。」
そらるさんはそう言って私の頭を撫でてくれる。
そらるさんはいつも優しい。私の相談も真剣に聞いてくれた。
そんな優しさが、私の傷ついたココロに染みる。
その優しさで、また泣き出した私を、そらるさんは抱きしめて慰めてくれる。
「わあああぁぁぁん!!!うっ、グスッ……!!」
「よしよし…………。ったく………しょうがねぇなぁ……………。」
その日はずっと、そらるさんに慰めてもらった。
それから1週間、元彼のことを忘れかけていたとき、
「あれ?A?Aだよな?」
「!?何で………ここに……!!」
そらるさんと遊ぶ約束をして、待っていた時、元彼が何故か話し掛けて来た。
「Aこそ。何?彼氏でも待ってんの?」
「………友達だけど。」
「へぇ〜。あのさ、俺からフっといてなんだけど……もう一度やり直さねえ?やっぱ俺、お前じゃないとダメなんだ。」
………何それ……!!私は元彼のその言葉にムカッと来た。
「ちょっ……ふざけ………」
「ふざけんなよ。」
私が言おうとしたとき、そらるさんが私を抱き寄せた。
「はぁ?なんだよお前。」
「Aの友達だけど。ふざけんなよお前。コイツ、フられた時にどれだけ悲しんだのか知らねーだろ。お前のこと信じて、ずっと好きだった、愛してた。でもお前は裏切って、その後掌を返したようにやり直そう?………ふざけんじゃねぇ!!!やり直してもお前はコイツのことを裏切って悲しませるだけだろ!!これ以上俺の好きな人のことを傷付けるなら、悲しませるぐらいなら、もうAに近づくな。」
そらるさんはそう言った。元彼は「クッソ……!」と、悪態をついてどこか行った。
「そらるさん………?」
「はぁ………スッキリした。一回あいつに言いたかったから。」
そらるさんはそう言ってプイッと、横を向いた。
そらるさん………私のこと、『好きな人』って、言ったよね……?
どうしよう……………。ドキドキが……止まらない。
もしかして、『恋』した……?
ハイビスカスは『新しい恋』
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