奏音69…凛音 ページ13
仕事終わり、
明日は金曜日だし今日はあの人に会いに行こう、なんて気分だった。
外はもう暗い。
実際、もう日本は世に言う�狄写覘瓩箸�いう大人の時間だから当たり前だけど。
この狭い通りを抜ければ人も減り、
大好きなバーが見えてくる。
暇さえあれば、毎日でも来たいけど仕事も仕事だし、バリバリな平日は少し難しい。
カラン、なんて洒落た音をたてて、ステンドグラスが綺麗なアンティーク調のドアが開く。
｢あ、久しぶりいらっしゃい。｣
そう、その笑顔に会いたかったの。
｢奏音さん、お久しぶりです。｣
誰もが認めるような
カクテルやワインがよく似合う人だ。
大人の時間なだけあって
お客さんは私以外、もういなかった。
｢あ、アプリコットフィズ…ください…!!｣
調子に乗ってしまったかな。
きっと、奏音さんなら分かるんだろうな。
｢ふふ、ごめんね。｣
｢…知ってますよ〜!!奏音さんにはたくさんファンがいますもんね!!｣
暫く奏音さん手際の良い作業を眺めていると私が知っているアプリコットフィズではないものが手元に置かれた。
多分これは、ポートワイン。
｢ポートワイン、ですか??｣
｢うん、よく分かったね!!｣
｢…こういうこと、
他の方にもされてるんですよね。｣
奏音さんは、黙ってしまった。
意味深な笑みを浮かべながら。
｢まあ、ファンの人なんて
みんな顔も名前も一々覚えてないけどね。｣
こういう所も好きだけど、
少し傷付いてしまうのはどうしてだろう。
｢私、奏音さんのそういうところ好きですよ｣
｢なに、ただのメス猫じゃん｣
｢違います!!…あ、美味しい。｣
｢よかったです｣
そう言ってニコッと笑う。
今のは意味深な笑みではなく
安堵、みたいな笑み。
｢あ、そういえば、ここに飾ってあるこのお花なんて名前なんですか??｣
｢えっと、多分、
ソリダスター…だったと思うよ??｣
｢ふふ、誰かの気持ち、みたいですね。｣
奏音さんは、
花言葉なんて知らないのか困った顔をした。
ソリダスターの花言葉は
私に振り向いてください
❁❁
はいこちら、物知りな方なら内容が理解出来ると思われます。
ごめんなさい。
カクテル言葉で検索検索♪♡
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