―ずっとずっと― (獄寺+10) ページ24
「…うん、うん。わかった。…わかってるよ、ちゃんと上手くやるって。…じゃあまたあとで。ばいばい」
時代遅れのガラケーから通話を終えたと知らせる無機質な電子音が流れる。
いつも通話を終えるのは向こうから。
「もーちょっと、話し終わるのを躊躇ったっていいのにねぇ…。」
通話が切れてしまってもうアイツには届かないけども、それでも文句を言えずにはいられなかった。
通話の相手は獄寺だ。
中学の頃からの友人で、戦友で、同僚で
中学からずっとずっと持ち続けているこの想いの相手でもある。
中２の、アイツが転校してきたとき。
私にもいっつもちょっかいかけてくるアイツをどうしても好きになれなかった。
でもツナは私の知らない間に、私よりも獄寺と仲良くなっちゃってて。
本当に本当に気に食わなかったけど、偶然見かけちゃった黒曜中での騒動がきっかけで私もボンゴレに関わるようになってから、本当はいい奴だってわかった。
ツナや武、そして私のことを本気で守ってくれてる。
そこからだ。
そこから、だんだん惹かれていったんだ。
懐かしい思い出たちは、思い出すたびに私をどこかくすぐったい気持にさせる。
結局こんな想いをずっとずっと抱え続けてもう10年。
友達から先へ進めなくてもう10年。
他に彼氏を作ってみたけど、ずっと忘れられない。
心のどこかでは必ず獄寺がいる。
でも
でもきっと、向こうは同僚だとしか思ってない。
それはもうずっと前から知っていたのに、今更トゲみたいに心に深く深く刺さっていく。
トゲで苦しくなってのどになにかがせり上がる。
温かい涙がガラケーのディスプレイにぽたぽたと落ちる。
「こんなんじゃだめ…だなぁ…。よわっちぃなぁ…。」
進めない私は、弱虫だ。
「おい、何やってんだよ。」
つぎつぎに流れてくる涙をこらえようとその場にうずくまっていると頭の上から声がした。
ガラケー越しの、くぐもった声じゃなくて
聞きたかったあの声だ。
「ご…くでらぁ…」
なんで今なのよ。
涙でぐしゃぐしゃなときに来るんじゃないわよ、空気読みなさいよ。
いつもの調子でそう返したいけど、声が詰まって言葉にならない。
泣いているのに気づいたらしい。はっと息を呑んでいる。
戸惑わせたくなくてジェスチャーであっちいけと指示しても、そこを退かない。
なんでだろうと思った刹那、ふわりと香水の匂いが掠めた。
腕の中にいることに気付くまで2秒
「泣くなよ」という言葉が温かいのはなんでだろう。
ラッキーアイテム
革ベルト
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 10人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
玲香 - わゎ、お姉ちゃん涙が止まらないぜコノヤローwwお姉ちゃん大好き♪これからもずっと友達だよ！ (2010年8月20日 15時) (
レス) id: d009b11f2f (このIDを非表示/違反報告)
朱亞 - ありがとうございます!!!!!!!このコメを見て私も涙がぁぁぁ(泣) (2010年8月15日 19時) (レス) id: b7928d6510 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - こんにちは、初めまして（あやめ）といいます。。。嫌われる話をミクの消失と一緒に聴きながら、読んでたら、涙が止まらなくなりました。。。泣けます。。。この話。。。 (2010年8月15日 17時) (レス) id: 6c8e152f45 (このIDを非表示/違反報告)
菖蒲 - こんにちは。。。嫌われる話を初音ミクの消失と一緒に聴いてたら、 (2010年8月15日 17時) (レス) id: 6c8e152f45 (このIDを非表示/違反報告)
玲香 - お姉ちゃん！新しく小説作ったよ、えーと、「嫌われてすいません〜リボーン〜」だよ！暇になったら見てくれ((←見ないので良いです！ (2010年8月15日 15時) (レス) id: d009b11f2f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朱亞 | 作成日時：2010年6月24日 20時
