叶わぬ恋でも、手を伸ばすよ・・・。　*切甘*

助け＜止め ページ13

ガタガタッ。

空き倉庫からやっぱり、音がした。


(やっぱり、居る)


そう確信した。


何も考えずに中へ入って、止めようとした。


その時、


「ゃ！」


誰かに後ろから腕を掴まれた。


この暖かさ、どこかで・・・。


「湊！」

(シーッ)

(何でここに居るの？)

(Aが変な真似しそうだから)

(止めさせようとしたの？)

(まぁな、あんな中に入ったって雄也の邪魔になるだけ)

(・・・)


やっぱり、雄也くんと知り合い。


(でもな、Aのことが心配だったんだ)

(え？)

(Aも傷ついてんだろうし、何があったか知らねぇけど、あんま無理 して欲しくなかった)

(うん、ごめんね)

(まぁ、そんなとこ)

(ありがとう)


湊はニコッと笑顔を見せて、安心したって言ってくれた。


私は間違っていた。


湊は架乃のことで私を軽蔑したりしない。


ただ、私から架乃と何があって、何で悩んでいるのか、


言ってくれるのを待っている。


優しい人。


信じれる人。


.


家まで送るよ。


って言ってくれた湊に、ついて行った。


しばらくして、


「Aの家ってどこ？」


(あっ！)


教えてなかったっけ？


すっかりリードしてくれる湊に安心してた。


「ていうより、ここ何処らへん？」

「俺の家の近く」

「えぇ。」


でも、身に覚えのある十字路。


「こっちかも！」

「俺の家の近く？」


私の家は湊の家の裏だった。


「えぇ！Aってそんな近くに居たの？」

「うん、そうみたい」

「いつでも会えんじゃん！」

「そうだね！」


喜んでくれている湊が


私は・・・


もっと嬉しかった。


「いつでも遊びに来てね！」

「ん、そうする。」

「今日来る？」

「や、今日はいいや」

「そ？」

「んじゃ、また」

「またね」


私はドアを開けて玄関に入った。


(まだ居るかな？)


なんて、思ってドアから覗いた。


？？


湊は走って何処かへ行ってしまった。


急いでたのかな。


.


そろそろ・・・。


湊に話さないといけないよね。


架乃とのことも。


でも、私はもう大丈夫。


だって・・・


湊を信じてるから。

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