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「ただたまに僕のことを人外の何かだと思い込んでいる人がいるのは困りますね。れっきとした人間です。」
「まあ、顔がいいから余計ね。」
一瞬彼がたじろいだのが見えた。え、言われ慣れてないの?
「あなた、そういうこと言うんですね。これは面白そうだ。」
「そんなこと、どうでもいいんですよ。んで、私は雇われればいいんですね。」
「そうです。ここではちょっと良くないですね。何かしらの交通手段で僕の仕事場までついて来てくれますか。」
「何かしら、ってなんですか。」
「うーん、なんでもいいんですけど、電車とかだと信者がいた場合に僕目立っちゃうんで面倒なんですよね。まあいいや、僕の運転手呼びますね。」
運転手がついてるんですか。それはそれはまあなんと儲かってることでしょう。
「今変なこと考えませんでしたか。」
「いや、さぞ儲かってるんでしょうねえ。って思っただけです。でも虚空教ってお金せびられるみたいなこと、ないんじゃなかったっけ。」
「ふふふっ
ないですよ。幹部が仕事をしているだけです。」
どういうことやねん。って思ったがそんなことより、何、その笑い方。女の子いたぞ今。私は変なところに教祖のカリスマ性を見出してしまった。
数分経って、至って普通の車がやってきた。そういうことか。ただ幹部が教祖に心酔して、自家用車でお迎えに来てるだけね。なんとも可愛い宗教だ。
「驚きましたか?ね、ほら、行きますよ。」
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作者名:漣刹那 | 作成日時:2023年3月22日 12時