ブラック本丸に来た鬼審神者は地獄でも本丸でも愛されているようで。【刀剣乱舞】【鬼灯の冷徹】

燭台切光忠と…2 ページ35

さてと。

色々準備は終わったな。

もうそろそろ歌仙が来るかな？

ｺﾝｺﾝ

燭台切「朝餉を持ってきたよ。入っても平気？」

『大丈夫だよ』

この声は光忠か。

今回も彼が持ってきてくれたんだ。

ｶﾞﾗｯ

燭台切「おはよう、Aちゃん」

『おはよう光忠。？、後ろの人は？』

燭台切「伽羅ちゃんだよ。僕と同じ、伊達家に仕えていた刀なんだ」

『そうなんだ』

光忠の後ろにいた人…伽羅ちゃんは、かなりボロボロだった。

たぶん、光忠は手入れして欲しいんだろう。

とりあえずまずは自己紹介、と思い褐色肌の彼に近付く。

近付いた時に、彼の肩が小さく跳ねた。

…きっとこの人も、光忠と同じように酷く何度も傷つけられたのだろう。

明らかに警戒をしている茶色の双眼と目が合う。

伽羅「…」

『初めまして。新しくこの本丸の審神者になった、Aです。これからよろしくお願い致します』

伽羅「…大倶利伽羅だ。馴れ合うつもりはない」

…重度のシャイ、だよね？←

燭台切「ごめんね。伽羅ちゃんはこれが普通なんだ」

『あ、そうなんだ』

じゃあ、他人と関わるのがあまり好きではないタイプなのか。

適度な距離感を保ちつつ、普通に仲良くなれると良いな…。

『ところで、光忠。大倶利伽羅さんを手入れしても良いかな？』

燭台切「！」

光忠が持ってきてくれた朝餉の匂いは、あと少しでお腹が鳴ってしまいそうなほど私の食欲を刺激する。

でもそんなのは後だ。

まずは、ボロボロな彼を手入れしなくては、その状態を見ているこちらも辛い。

それに、傷ついたままでいることは、精神的にも疲れるだろう。

燭台切「…こちらこそ、伽羅ちゃんの手入れ、お願いしても良いかな？昨日の今日で、何だか君を利用しているようで申し訳ないんだけど…」

『気にしないで。それだけ私を信頼し始めてくれてる…ってことでしょ？』

燭台切「！…うん」

光忠が少し照れたように笑う。

『手入れ、もちろん引き受けるよ。…大倶利伽羅さん、貴方を手入れしても良いですか？』

彼の仲間である光忠からのお願いではあるが、一応本人にも確認する。

伽羅「…あぁ」

彼も小さく頷いて了承してくれた。

私が、手入れをするために彼の両手を手に取る。

伽羅「！？」

突然手を握ってしまったからか、彼が一瞬身を引こうとしたが、すぐに元に戻った。

…でも、彼の手からはまだ少し不安が伝わってくる。

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