第376話 気の抜けた朝 ページ27
NOside
海『こんな朝から自分んとこでもない詰め所掃除する事ないだろ〜〜？ふぁ〜あ…』
貴『やる事無いけど第八の皆からそう離れるわけにも行かないから』
海『そりゃそうだけどさ〜？』
早朝。
暖かくなってきたとはいえまだ日の低い朝は少し肌寒い。
薄暗い空の中、Aは置いてあった竹箒を拝借して詰め所の玄関双児をしていた。
海『…にしても、鳶って人らは早いなぁ朝。』
貴『…そうだね』
そう話す二人の目線の先には、カンカンと金槌を振り下ろす鳶達の姿が。
昨日荒れだけ破壊されていた家達はあっという間にその面影をなくしていく。
海『にしても、あいつが早起きするのは意外だったな〜』
海呼音の言う”あいつ"と言うのは紅丸の事で。
鳶達の中に混じって金槌を降る紅丸にA達は小さく笑みを零した。
貴『も〜そんなこと言わない…』
Aがそう緩く海呼音を窘めようとしたその時。
紺「何一人で話してん」
貴『ッワ"───────！！！！？』
ひょっこりと暖簾から顔を出した紺炉に、Aはかなり大きめの声で悲鳴を上げてしまう。
あまり可愛らしいとは言えない声で、竹箒を持ったまま軽く20cmは飛び上がったAに逆に紺炉もびっくりしてしまった。
いや、驚いたのは紺炉やAだけではない。
彼女の悲鳴に気がついた鳶達は驚いた顔でAたちの方を見詰めていた。
貴『ここここ紺炉中隊長…！？いつからそこに…！！？』
紺「いや、今さっきだが……
そんなに驚かれるとは……なんか悪いな…」
箒に抱きついたまま尋ねるAに何も悪くないはずの紺炉はそう謝る。
バクバクと鳴り響く心臓を抑えながら、Aは何故紺炉の気配に気が付かなかったのかと困惑した。
貴『(油断した？？後ろから近づく気配も気付かないくらい？？
いくら一段落ついたあとだからって気を抜きすぎじゃないか…！？)』
紺「……その、大丈夫か？」
貴『いえ…ちょっと自分の不甲斐なさに落ち込んでるだけです…』
明らかにズ〜ンと沈んだAに声をかけるが、そんな事を言ってさらに陰気臭い空気を発し始めた。
そんな時
桜「な、何事だ！！？」
火「敵襲か！？」
ワンテンポ遅れてAの悲鳴に起きてきた桜備と火縄が駆けつけてきた。
寝起きらしく全く整ってない姿でこちらを見る桜備達にAは硬直し、かあああっと顔を紅くした。
貴『な、何でもないです………』
あんな事で悲鳴を上げてしまった自分への落胆と羞恥にAは頭を抱えた。
第377話 寝起きのおっさん→←第375話 よく分からない、夢の話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 80人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
カスタード - いつも楽しみとして読ませていただいています！夢主ちゃんの性格がグサリと心に刺さりました！これからも応援してます！ (8月18日 20時) (
レス) id: 82acadb6d2 (このIDを非表示/違反報告)
うま - じっくり読ませていただいてます！更新頑張って下さい！！ (7月16日 0時) (レス) id: 4d8aeac2a6 (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - ちるちるさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！更新頑張ります！！(血涙) (2023年3月8日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
ちるちる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！続きが楽しみです😊更新頑張ってください‼️ (2023年3月7日 19時) (レス) id: ace1fac0f2 (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！かなりの不定期更新となってしまっていますが、気長に待っててくれると嬉しいです！ありがとうございます！ (2023年3月5日 22時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2022年12月15日 15時
