第352話 櫓の柵に乗ってはいけない ページ3
NOside
櫓に登って紅丸を探す。
しかしあちこちで火事が起きており、煙も上がっていることから中々紅丸を見つけることが出来ない。
貴『やっぱり上にいるんじゃないです？』
下ばかりを探している桜備たちにそう言って屋根に登ろうとするA。
柵に登って屋根に手をかけた時
貴『ッゴポッ！？』
桜「っA！！？」
Aの口から血が溢れ出る。
唐突の事に驚いたのか、Aがズルリと柵から足を滑らせた。
ぐらりと身体が傾いて、
あ、落ちる。
そう確信したとき、ガッと強く身体を抱き寄せられた。
桜「っ…あっぶねえ…！！」
柵ごしに桜備に抱きしめられる。
足は未だ空中に放り出されたままだが、桜備が捕まえているため重力に従って落ちていく事は無い。
服越しに伝わるほど多いな心音はとても早く、相当肝を冷したらしいとAは冷静な頭で考えた。
貴『(別に落ちても平気なんだがな…)』
とりあえず着地の心配は無くなったものの、口から溢れる黒い血と頭に釘を刺されるような痛みは止まらない。
冷や汗を垂らしながら、ゲホッゲホッと大量に血を吐く。
桜「A！」
貴『だい、じょ…』
桜「そんなわけ無いだろ！」
持ち上げられて、とりあえず櫓の中へと降ろされる。
Aはなんとか床に足をつくものの、足元はおぼつかず、ふらりと倒れそうになる。
鼻血と一緒に大量の血を出すA。
真っ黒になった自分の手を見て内心面倒だと呟いた。
貴『大丈夫、です…すぐ、慣れる…』
Aがそう呟いた時空から紺炉を呼ぶ声が聞こえた。
その声は自分達が探していた紅丸のもので。
その後も少し咳をしたものの、紅丸が来る頃には口元の血を拭って起き上がり、何事も無かったかのように笑っていた。
紺「だ、大丈夫なのか…」
貴『まぁ、慣れてるんで』
それより新門でしょう？と纏に乗ったままこちらに寄る紅丸に視線を動かした。
貴『やっぱ馬鹿と煙は高いところが好きだなぁ』
紅「あ"？」
桜「A！！？」
流れるような罵倒と煽りに桜備が静止する間もなくバチバチと互いの間に火華が散る。
ただでさえ下では大量に喧嘩が起きているというのに、ここまで喧嘩されては敵わない。…のだが、
貴『現状はもう把握してるだろ。焔ビトも喧嘩も増えるばかりで町は混乱状態。
町をまとめなきゃなんねえ頭が何チンタラ空飛んでんだ？』
制止する暇もなく、Aはそう厳しい言葉を投げかけた。
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カスタード - いつも楽しみとして読ませていただいています！夢主ちゃんの性格がグサリと心に刺さりました！これからも応援してます！ (8月18日 20時) (
レス) id: 82acadb6d2 (このIDを非表示/違反報告)
うま - じっくり読ませていただいてます！更新頑張って下さい！！ (7月16日 0時) (レス) id: 4d8aeac2a6 (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - ちるちるさん» コメントありがとうございます！めっちゃ嬉しいです！更新頑張ります！！(血涙) (2023年3月8日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
ちるちる(プロフ) - めっちゃ面白かったです！！続きが楽しみです😊更新頑張ってください‼️ (2023年3月7日 19時) (レス) id: ace1fac0f2 (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます！かなりの不定期更新となってしまっていますが、気長に待っててくれると嬉しいです！ありがとうございます！ (2023年3月5日 22時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2022年12月15日 15時
