第360話 気づく矛盾 ページ11
NOside
紅「下ろしてやろうと思ったんだよ」
貴『はあ、』
森「待ってそれ下ろすの俺じゃありません???」
そんな事の為に態々こっち寄ったんです?と笑うAにあと殴るためだと紅丸が付け足す。
どちらにせよ苦笑いを浮かべるAに、森羅はいつの間に仲良くなったんだと頭の隅で考えていた。
森「……なあ、A」
和やかな雰囲気を出すAに対し、真剣な顔で森羅が切り出す。
その空気にAは少し眉を動かすが、いつものように作り笑いをするだけ。
どうした?と"いつもどおり"に笑うAに、森羅は息を呑んだ。
森「…俺は、諦めねえから。」
そう宣言する森羅に、Aはただそうかと笑うだけ。
感情の読めない笑顔に、森羅は冷や汗を垂らす。
それでも、止まれない。止まる気はない。
森「俺は絶対 象は俺が助けるマンだ!」
貴『好きにすりゃいい。私は白装束を殺すだけさ』
変わらぬ笑顔、変わらぬトーンでAは言う。
紅丸は詳細を知らない為、なんの話をしているのか全く理解できなかったが、その様子を見て、何となく察した。
紅「(テメェがさっき言ってたのは"これ"か…)」
Aが"助けてやれない時"
それはきっとそのショウとか言う奴を助けることなんだろうと察する。
口ぶりからして、Aの目的の障害となる事なのは間違いない。
なら、Aの目的は──…
"貴『白装束を全員殺すこと』"
そう言った時のAの顔が思い浮かんだ。
……あの時の憎しみや絶望が詰まったあの目を。
紅「………」
あんな目で笑った彼女が、果たして、
自分の計画を邪魔しようとする彼を、
そんな簡単に許すだろうか?
紅「…………」
"貴『助けてやってください』"
そう微笑んだ彼女の顔が、思い浮かぶ。
何故、あの時Aは森羅達を助ける様な事を頼んだ?
どうして、自分ではなく、彼等を
"貴『全部計算して生きてる』"
彼女は常に損得を計算してる様な人間だ。
ならばそれによって彼女が得るものはなんだ?
自分が第八に味方することで、彼女は一体何を得る?
紅「…分からねえな」
そうつぶやくと、Aの細められた目が薄く開いた。
分からないなら、聞かなければ。
情報がないと、考えることも、話すこともできないのだから。
紅「お前は一体何がしたい」
矛盾した言動の裏にある真意は、一体。
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カスタード - いつも楽しみとして読ませていただいています!夢主ちゃんの性格がグサリと心に刺さりました!これからも応援してます! (8月18日 20時) (レス) id: 82acadb6d2 (このIDを非表示/違反報告)
うま - じっくり読ませていただいてます!更新頑張って下さい!! (7月16日 0時) (レス) id: 4d8aeac2a6 (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - ちるちるさん» コメントありがとうございます!めっちゃ嬉しいです!更新頑張ります!!(血涙) (2023年3月8日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
ちるちる(プロフ) - めっちゃ面白かったです!!続きが楽しみです😊更新頑張ってください‼️ (2023年3月7日 19時) (レス) id: ace1fac0f2 (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!かなりの不定期更新となってしまっていますが、気長に待っててくれると嬉しいです!ありがとうございます! (2023年3月5日 22時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:3度の飯より推しが好き | 作成日時:2022年12月15日 15時