第345話 元の優しさ ページ46
NOside
貴『お前の幸せには、
ポソリと呟いて、Aが屋根から降りてきた。
重力を感じさせないほど、軽々しく地面へと着地する。
そしてこちらに近づきながら、Aは言った。
貴『象を助けたいなら、私より強くなれ。森羅。』
最低条件だ。
そう森羅の目を真っ直ぐ見つめて、Aが言い放った。
Aよりも、強く。
あのただでさえ強い上に、半不死身というチートを持ってるAより、強く。
森「っ、いや無理だろ！！！」
貴『じゃ、諦めろ』
森「おっ前なぁ〜！！」
無理難題をふっかけて、自分を諦めようとしてる。
そう思った森羅は肩をすくめてみせるAに怒りをみせる。
けれどAは態度を変えず、
無理だと思ってるうちは一生勝てねえよ。と、
そう真顔の薄笑いで言った。
貴『お前がなにか一つでも妥協して挑むってんならここまでは言わないさ。
でもお前はヒーローのまま、象を助けたいんだろ？』
若干言葉の選び方に疑問を感じるが、特に間違ってはいないので森羅はAの質問にあぁと応える。
ならやっぱりこれは最低条件だなとAは言い張る。
彼女が諦めさせる為ではなく、本気で言っているのだと気付いた森羅は、小さく嘘だろと呟いた。
貴『嘘じゃねえよ。
"ヒーローのまま"あいつらと戦うのがどれだけ不利だか分かってんのか？
ヒーローは姑息な手段も人殺しもできない。
ハンデ無しでも私が苦戦する相手に、お前はそういう戦い方をしようとしてるんだぞ？』
森「……………」
Aの言葉に森羅は思わず黙る。
驚いた。まさかここまで考えているとは。
正直、失望していた。
人を殺す彼女を見て。
白装束を虐める彼女を見て。
今までの彼女は全て幻想だったのかと。
全て、偽りだったのかと。
実際、彼女の笑顔は、態度は偽りだった。
完璧なA 緋雁は、存在しなかった。
…けれど
貴『お前のなりたい"ヒーロー"ってのは、そういうもんなんだろ？』
自分達の話を聞いて、真剣に考えて、向き合ってくれる。
そんな彼女は、紛れもなく"本物"だった。
Aはそれを点数稼ぎだとか、
得になるだとか言っていたけれど
いや、おそらくそれが目的でやっていた事もあったんだろうけど
"ヒーローになりたい"なんて馬鹿げた夢を
本気で叶えようとしてくれる彼女の優しさは
演技なんかじゃない、彼女が元から持っていたものだった。
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にゃん丸 - 最高です、、d(^_^o) (2022年12月15日 21時) (
レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
名無し81000号(プロフ) - 忙しくて見れていませんでしたが、一気に読むのもいいですね！少しグロくて周りの反応もリアルですごいです！コメントの反応ありがとうございます✨ (2022年12月15日 0時) (レス) @page50 id: 91328fcf7d (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - にゃん丸さん» そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - 名無し81000号さん» 沢山のコメントありがとうございました！ずっと拝見させていただいてたのですが返信するタイミングを逃してしまい、最後にまとめて返信、というふうにさせていただきました。1話ごとに感想をくださり、とても嬉しかったです！ありがとうございました！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸 - 続きになるーー！！！！！！！！！！！ (2022年12月10日 17時) (レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2022年8月26日 22時
