第343話 化物とヒーロー ページ44
NOside
逆光で、Aの顔は見えない。
けどなんとなく分かる。彼女は今笑っている。
感情の乗ってない、口だけの笑みで。
どうせ、そうだと肯定されるに決まってる。
お前は弱いからと、そう否定するに決まってる。
そう、森羅は思っていた。けれど
貴『いや……だってヒーローは人殺しちゃだめだろ？』
森「…………は？？？？？？」
Aの言葉に思わず間抜けな声が出る。
何を言っているんだこいつは。
なんで急にヒーローの話を？
ふざけているのかと思ってAを睨むも、
Aは大真面目なようで、
ヒーローってそういうもんだろ？と
もう一度こちらに問いかける。
森「いや、まぁそうっ…っつーか殺さねえよ！！」
貴『お前が殺さなくてもいざとなったらあいつら自 殺するし何より私が殺すぞ？』
ヒーローが倒したあとの敵が殺されるのって後味よくないだろ？と、Aは謎の質問をする。
確かに良くない。後味はとても悪い。
だが何故今そんな話なのか。
森「もっと、こう…！俺が弱いからとかそういう話じゃねえの！？」
貴『それ言ったらお前拗ねるだろ？』
森「クッソそのとおりだよ！！」
見透かされてる事に苛立ちながらそう怒る。
そう思ってるなら否定してほしかったと思いつつも、いつまでも過保護に甘やかされてる自分にも腹がたった。
貴『………それに』
そうAが呟いたとき、またキラリと空が光った。
貴『
ズドッと、炎の矢がAの首を貫いた。
狙い通り、ど真ん中を貫かれた首は皮が焼け切れ頭が落ちる。
森「っ！！！？」
桜「Aっ…！」
桜備達の悲鳴を遮るように、ほらとAの喉から声がした。
落ちる首を捕まえ、変わらず森羅たちを見下ろすAは先程と変わらぬトーンで続けた。
貴『あいつらは、ヒーローの変身シーンを待ってくれるような奴じゃないんだよ。』
自分の頭の髪を乱暴に掴みながら、首なしの女がそう言った。
傷口からチリチリと炎が舞い出ている。
"バケモノ"
先程から幾度となくそう思った。
けれど、目の前にいるそれは、本当に、本当に…………
ﾋﾅ「化けモンだ…………」
人間をやめている、なんて言葉じゃ足りないぐらいに。
いや、元々人であったかすらを疑うほどに
彼女は、化物だった。
貴『化物の相手は、化物がすりゃあいいんだ。』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 58人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「原作沿い」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
にゃん丸 - 最高です、、d(^_^o) (2022年12月15日 21時) (
レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
名無し81000号(プロフ) - 忙しくて見れていませんでしたが、一気に読むのもいいですね！少しグロくて周りの反応もリアルですごいです！コメントの反応ありがとうございます✨ (2022年12月15日 0時) (レス) @page50 id: 91328fcf7d (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - にゃん丸さん» そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - 名無し81000号さん» 沢山のコメントありがとうございました！ずっと拝見させていただいてたのですが返信するタイミングを逃してしまい、最後にまとめて返信、というふうにさせていただきました。1話ごとに感想をくださり、とても嬉しかったです！ありがとうございました！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸 - 続きになるーー！！！！！！！！！！！ (2022年12月10日 17時) (レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2022年8月26日 22時
