第314話 強引手当 ページ15
紺炉side
綾「なんだい！こんなもんかい！」
自信満々の表情でこちらを見下ろす少女の顔が見える。
長い黒髪をたなびかせ、力強い真紅の瞳で笑う女を、俺はただ鼻血を垂らした間抜けな顔で呆然と見つめていた。
ーーーーーーー
NOside
貴『はい、終わりましたよ。』
薬を塗って、包帯を巻き変えたAがそう紺炉に声をかけた。
あぁ、ありがとうと、薬を箱に戻すAに感謝をのべる。
紺「にしても、随分手慣れてるな…」
貴『塗り薬の使い方なんてどれもそう変わりはしないでしょう。』
そう言うと今度は消毒液とガーゼ、大きめの絆創膏を抜きとって、紺炉に借りますよと声をかける。
あぁと答えるとAは立ち上がって、今度は桜備の前へと座った。
桜「…えっと」
貴『見れば分かるでしょう、アンタの番ですよ。』
血、出してたでしょうが。
そう言って手に持っている消毒液達を見せる。
どうやら次の手当は桜備だと言いたいらしい。
桜「いっ！いやいいよ！俺は自分でするから！！」
貴『アンタじゃ適当にやりかねないから私がやるっつってんですよ。』
動揺のあまり少し大きな声を出すが、Aは不機嫌そうな顔で桜備の言葉を却下する。
じっとしてくださいと添えられた手にドキッとする。
助けてくれと火縄に視線を送るが、そのままやってもらえばいいんじゃないですか？と言わんばかりの顔でこちらを見て来て、助け舟は見込めない。
恥ずかしさでいっぱいになりそうだが、こういう時の彼女はテコでも動かないと知っている桜備は、ギュッと目を瞑り大人しくAの手当を受けた。
貴『終わりましたよ』
桜「ｱｯハイ」
思っていたよりもずっと早く終わった手当に少し拍子抜けをする。
けれど自分の額を触ってみると確かに絆創膏が貼られていて。
本当に手際がいいなと感心していると、横から茉希にお花畑な瞳で見つめられた。
何も言うなよと目で牽制をしていると、にしてもと紺炉が呟いた。
紺「お前さんは不思議な奴だな…綾果の生き写しのみてェな言動をしたかと思えば、綾果が絶対しねェ様な事もする」
ピクリと、消毒液を戻すAの手が止まった。
パチンと薬箱を閉めながら、Aはそうですかねと返事をした。
紺「あぁ、強引な所はそっくりだが、アイツは人の心配するようなタマじゃァ無かった。
なんつーか…お前さんを見てると"理想の綾果"を見てる様な気分になる。」
貴『…そう思われてるなら、よかったです。』
そう答えた彼女は、ニッコリと、いつも通りに笑っていた。
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にゃん丸 - 最高です、、d(^_^o) (2022年12月15日 21時) (
レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
名無し81000号(プロフ) - 忙しくて見れていませんでしたが、一気に読むのもいいですね！少しグロくて周りの反応もリアルですごいです！コメントの反応ありがとうございます✨ (2022年12月15日 0時) (レス) @page50 id: 91328fcf7d (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - にゃん丸さん» そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - 名無し81000号さん» 沢山のコメントありがとうございました！ずっと拝見させていただいてたのですが返信するタイミングを逃してしまい、最後にまとめて返信、というふうにさせていただきました。1話ごとに感想をくださり、とても嬉しかったです！ありがとうございました！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸 - 続きになるーー！！！！！！！！！！！ (2022年12月10日 17時) (レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2022年8月26日 22時
