第301話 無感情の罵倒 ページ2
NOside
さっきまで騒がしかった周りが、一瞬で静寂へと変わる。
冷たい夜風が、ただ頬を撫でて行った。
桜「っ、A、やめなさい」
喉から振り絞るように、桜備が言う。
その命令に対し、Aはため息を付きながら振り返った。
貴『10分戦闘禁止。そういう約束でしょう？』
私は守りましたよ。
そう反論する声からは、やっぱり感情が読み取れなくて。
振り向いた彼女の笑顔は、相変わらず貼り付けられた偽物で。
貴『アンタ等が10分かかったのに対して、私は10秒もかからなかった。
最初から私に任せておけばアンタも怪我しなかったでしょうに』
本当、馬鹿ですね
そう、呆れたように言う。
顔も、声も、確かに呆れて、少し怒っているような感情を表しているのに、
不思議とその声から、表情から、感情を読み取ることはできない。
まるで機械と話しているようだった。
録音された音声が、そういうふうに表情をするようにプログラムされたロボットの口から出てるような、
そんな、無機質さ。
表された感情の奥にある虚無が無性に恐ろしくて、ゾワゾワと鳥肌が立つのが分かった。
桜備達が次の言葉に詰まる中、Aの下敷きとなった紅丸が、ふざけんなと苛立った声で呟いた。
紅「何が抵抗したら…だ…！殺す気なんざ少しも無いくせに…！」
ググッと起き上がろうとする紅丸を、Aは真顔で押さえつける。
少しだけ弧を描いた口で、へえ？と
貴『分かるのか』
紅「てめェの攻撃からは全く殺意が感じられねぇ…！
ただただ俺をあしらおうとしてるのが見え見えなんだよ…！！」
馬鹿にしやがって。
そう怒る紅丸に対し、Aは大きな大きなため息をついた。
パチンッと首元に突きつけていたナイフをしまって、ガッと紅丸の頭を強く掴んだ。
そしてそのまま
ゴッッッ
紅丸の頭を強く地面へと叩きつけた。
貴『そういう察しの良さを、ど〜して別の場所で使えねえかなぁ』
Aの唐突な行動に、皆止めることすらできずただ呆然と彼女を見つめる。
ニコニコと自慢の怪力で紅丸を押さえつける様は、町民たちにはとても恐ろしく見えただろう。
けれど彼女はそんな事も気にせず、力のままに紅丸を地面へと押さえつけてた。
貴『そうやって考えなしに動いてると、いつか全員焼け死んじまうぞ？』
紅「テメェ…ッ！」
そう笑顔で見下ろすAを、紅丸はただ睨み付けることしかできなかった。
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にゃん丸 - 最高です、、d(^_^o) (2022年12月15日 21時) (
レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
名無し81000号(プロフ) - 忙しくて見れていませんでしたが、一気に読むのもいいですね！少しグロくて周りの反応もリアルですごいです！コメントの反応ありがとうございます✨ (2022年12月15日 0時) (レス) @page50 id: 91328fcf7d (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - にゃん丸さん» そう言っていただけて嬉しいです！ありがとうございます！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
3度の飯より推しが好き(プロフ) - 名無し81000号さん» 沢山のコメントありがとうございました！ずっと拝見させていただいてたのですが返信するタイミングを逃してしまい、最後にまとめて返信、というふうにさせていただきました。1話ごとに感想をくださり、とても嬉しかったです！ありがとうございました！ (2022年12月14日 0時) (レス) id: e76870b0ae (このIDを非表示/違反報告)
にゃん丸 - 続きになるーー！！！！！！！！！！！ (2022年12月10日 17時) (レス) id: 397365c42d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2022年8月26日 22時
