喜劇で悲劇の人形劇第五幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ46)

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第245話浮かれ少女ページ46

NOside

貴『〜♪』

ア「どうした。ご威厳だな」

環「ご機嫌の事言ってんのか？」

デスクにつくなり、分かりやすく機嫌のいい彼女にアーサーがそう尋ねる。

いつもならば彼の言い間違いを指摘し訂正する所、今日はご機嫌にだろう？とニコニコ笑っている。

環「なんかいい事あったのか？」

貴『まぁなっ』

今までに無いくらい機嫌のいい彼女に、皆何があったのかと顔を見合わせる。

茉「大隊長となんかあったんですか！？」

ｱｲ「茉希さん！」

あいも変わらず恋愛脳の茉希は先程桜備がこいと言っていた事と関連があるのではを身を乗り出す勢いで聞いてくる。

そんな茉希に折角いい気分の彼女の機嫌を損ねるのではと皆少し慌てた顔をする。

…が

貴『まァ間違ってはないです』

予想外にも、彼女はご機嫌のままクルクルとペンを回し、楽しそうに答える。

珍しいこともあったもんだと驚いていると、そりゃ機嫌もよくなりますよと、Aは一際楽しそうに続けた。

貴『だってずっと前に無くなったと思ってた宝物が、今になって出てきたんですもん。』

ニッと彼女は笑って、その機嫌のいいままアーサーの書類の手伝いへと移行する。

結局桜備の部屋で何があったのかは要領を得ない解答だったけれど、Aがそれ以上語るつもりがないのを察して、皆それぞれ自分の仕事へと戻って行った。

貴『(あ〜今日はいい日だなぁ！)』

先程までのいやな大隊長会議の事など忘れ、そんな事を考えるA。

けれど彼女はこのあとすぐにこの言葉を撤回する事になる。

「久しぶりだなぁ悪魔の足跡…」

…それは、買い出しに行った森羅に接触した、ジョーカーによって。

ｼﾞｮ「ゔふ♡」

路地裏から突如現れた怪しげな男に、森羅は思わず飛び退いた。

森「お前は！！」

それは、忘れもしない新人大会で会った男。

通称ジョーカー。

象の情報を与えてきた、特殊消防隊への疑念を投げかけた、怪しい怪しいあの男だった。

ｼﾞｮ「おっと」

戦闘態勢に入った森羅に対し両腕を上げ、戦意が無いことを示すジョーカー。

ドンパチする気はないと口でも言っているが、どこまでが本当か、信用ならない。

中々戦意態勢を解かない森羅に、どうしてもと言うならとジョーカーは不敵に笑う。

ｼﾞｮ「まさか♤俺に一矢でも報いられると思っていないよなァ？」

そう顔をこちらに寄せて笑うジョーカーからは、バーンズに劣らぬほどの威圧感を感じた。