喜劇で悲劇の人形劇第五幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ42)

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第241話激おこプンプン丸ページ42

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桜「お前！まぁ〜た無茶したな！？」

ぎゅ〜っと桜備が両頬を抓る。

ミィッと伸びる頬に、Aは驚いた様に桜備を見つめていた。

桜「さっきの件だってそうだ。

自分の事はいいから森羅をだなんて、お前がそんな責任おう必要ないだろ。」

一応は丸く収まったけれど、もし本当に牢屋送りになってたらどうするんだと桜備は怒る。

物理的にも、立場的にも、自分を大切にしなさすぎだとも。

桜「Aはもっと自分を大切にしなさい」

そう叱り終わると、桜備はようやくAの頬から手を放す。

分かったか？なんて眉を釣り上げて言う桜備を、Aは呆然として見つめていた。

「こ〜ら！A〜！！」

『いひゃい！いひゃいってばままぁ〜！！』

「こらこら、綾果さん。あんまり抓っちゃ駄目だよ」

ふと、懐かしい思い出に心があたたまるのを感じた。

両親に怒られて、頬を思いっきり伸ばされて。

痛い痛いって泣いて、最後は笑いあって。

そんな懐かしい思い出に、思わず笑みが溢れた。

貴『……ぷ、ははっ！』

赤くなってる頬を気にせず、Aはクスクスと笑い出す。

私は子供ですかと口を抑えるAに、桜備は真剣なんだぞ！？と怒っていた。

桜「ちゃんと自分の事をだな…！」

貴『あはは！やれたらやりますよ！』

桜「それ絶対やらないやつじゃないか！」

怒る桜備に、Aは尚も上機嫌に笑う。

それはもう、楽しそうに、子供のように。

カ「…あいつあんなふうにも笑って笑顔になるんだな…」

森「……そう、ですね…」

研修中は微塵も見せなかった子供らしい彼女の姿に、カリムは驚いたような、少し安心したような顔で呟く。

一方森羅は2年間一緒に過ごしてきても、今まであんなに楽しそうな姿を訓練校では一度も見たことが無かったという事実に、少し寂しさを感じていた。

森「(本当に俺、なんも知らないんだな…)」

こんなに長く過ごしてきたのに、友達だと思っていたのに。

第八に入ってから、彼女の知らない部分ばかりが出てきて。

本当は、友達なんかじゃなかったんじゃないかって、心配になる。

貴『というか、女子の頬に触るのはセクハラですよ？』

桜「そうなのか！！？」

貴『やーいセクラハ親父〜』

桜「やめっ！謝るからやめてくれA！！」

そうやって楽しそうに桜備を揶揄うAが、なんだかとても遠く感じられた。

森「(…そんな事、無いよな…？A……)」

自分達は友達であると、そう…