喜劇で悲劇の人形劇第五幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ11)

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第210話熱く、氷る。ページ11

NOside

烈「カリム！！邪魔をするな！！」

カ「やめろ。お前が熱くなればなるほど、俺はお前を冷やす！！」

熱くなる烈火に、カリムがそう冷静に告げるも、烈火はもう止まらない。

烈「こんな氷蒸発させてやるぜぇぇぇ！！」

氷をとかそうと、更に、更に温度を上げる。

森「よせ！！お前自身が燃え尽きるぞ！！」

貴『……森羅』

無駄だ。

そうAが冷たく言い放つ。

その間も烈火は温度を上げ続け、カリムは烈火を冷やしていった。

貴『……言っただろ。

このくらいでやめるなら、コイツ等はこんな事してない。』

Aが、そう告げ終わった頃には、烈火はもう完全に氷漬けになっていて。

カ「こんな事するためにいつも後ろにいたんじゃねェよ…」

彼をこんな姿にしてしまったカリムは、悲しそうにそう顔を伏せた。

そんな二人を見つめていると、ふと後ろから足音が聞こえた。

振り向けば、そこには呆然として立っているフォイエンがいて。

ﾌｫ「報告を受けて来てみれば…カリム…これは一体…？」

未だ状況が飲み込みきれていないフォイエンは第一は大丈夫なのかと心配の声を漏らす。

……しかし、これは第一だけの問題ではない。

カ「俺の勘でしかないがな…」

もっと大きくて大きなこの国全体の問題だ。

そう、相変わらず少し変な日本語で、カリムは深刻そうに呟いた。

森「助かりましたカリム中隊長！

烈火は…死んだんですか…？」

そう、森羅が少し不安げに尋ねる。

敵とはいえど、知り合いだ。

死んでしまったと思うと、気分が悪い。

けれどそんな心配はなく、ちゃんと空気穴が開けてあり、封印しているだけのようだった。

カ「後で全ての情報を吐かせる。」

そう言ったカリムに、Aは静かに無理だと思いますよと反論をした。

貴『情報を吐くくらいなら、コイツ等は自死します。』

そうでもなきゃ、ここまでしない。

そう、Aはまた繰り返した。

けれど、そんな彼女の台詞に森羅は違和感を持つ。

どうして、Aはそんな事を断定できるのだろうか。

どうして、"狂信者は人を迷わず殺す"だなんて思うのか。

…どうして、そんなにも……

森「お前は、コイツ等の組織の事を理解してるんだ…？」

……また、彼女の瞳が大きく開いた。

先ほどと同じように眉は釣り上がっていたが、頬が少し引き攣っていた。

……そして、彼女は小さく呟くのだ。

"分からない"と。