喜劇で悲劇の人形劇第四幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ48)

今日:6 hit、昨日:25 hit、合計:16,190 hit

第197話予想の場所へは独りで進むページ48

NOside

カ「俺の部下みてェな部下のようで部下じゃねェってことか…

勝手がいいな。」

勝手に勝手しろと言って、カリムは森羅達の横を通り過ぎていく。

…その後、暫く烈火を探したが、大聖堂内に烈火は見つからず、手分けして捜しに行くことになった。

大聖堂内にいないとするのならば、烈火は今どこに。

貴『………』

森「なァA、分かるか？」

そう尋ねる森羅に、Aは少し驚きつつも、当然のようにこちらを頼ってくる森羅に内心ほっとする。

どうやら不信感は残っていないようだと分かり、そんな何でも分かるわけ無いだろと呆れ顔で答えた。

貴『(…まあ、大方の予想はついてるが)』

けれどそんな事は一切口には出さず、とりあえず手分けしようとAは言うと予想している方向とは真逆の方を指差して、森羅達はあっち側を頼むと言い有無を言わさず走り出した。

森「あっおい！」

止めようとする森羅を無視して走るA。

そんな彼女に森羅も諦め、あっち探そうぜとAの指した方向へ進んだ。

貴『(大方、"あそこ"だろうなぁ…)』

そう考えるAの目線の先にあるのは少し遠くにある廃工場。

Aは子供の集団発火と聞いたときから、次の発火場所を予想していた。

その工場は工場というだけあり少し広めの空間があり、廃墟とは言っても立入禁止の看板とテープがあるだけで大したバリケードはない。

そして何より、子供の通学路にある程度近い場所だった。

…そして今は夕方。

子供の人体発火を起こすならば、帰宅途中を誘導しやすい今が最適だ。

貴『(他にもまぁ候補がないわけではないんだが…)』

他の場所は第一に近か過ぎたり、遠すぎたり、前回の発火場所と距離があまり無かったりと少々不便な点が多い。

だとするならば、次の発火場所に選ばれるのはほぼ確実にあの廃工場、もしくはその周辺の筈だ。

貴『(…そもそも、人体発火を起こしに行ってるっつー予想が外れてたら元も子もないんだがな。)』

少なからず疑われているかもしれないこの状況で、すぐに人体発火を起こそうとするだなんて考えられない。

…とも、思うが

貴『(逆に今更この程度のことで奴らが踏みとどまるとも思えない…)』

バレたなら、口封じ。

それが奴らの手口なのだから。

貴『(あぁ早く、急がなければ)』

森羅達が見つけるよりも早く。

……できるならば、犠牲者が出ないうちに、早く。

貴『(烈火星宮を殺さなければ。)』