喜劇で悲劇の人形劇第四幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ40)

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第189話秘密の話合いページ40

NOside

ア「あの中隊長達が人工焔ビトの容疑時じゃないのか？」

二人きりの自室で、アーサーがそう尋ねる。

ここに来てビビっているのかと怒るアーサーに森羅はそうじゃないと言い返した。

森「まだ誰が敵で誰がそうじゃないかわからない状態だ。

あの時なりふり構わず問い詰めて第一全員が敵だったらどうする！」

Aだっていつも言っている。

考えて、慎重に動けと。

森「あの場で俺達は消されていたかもしれない。」

あの場で、Aが上手く取り繕ってくれなければ。

ア「…じゃあどうするつもりだ？

見たんだろう？火華の言う蟲を持ったローブの男を。」

そう、森羅はたしかにあの時見たのだ。

蟲の入った瓶を民間人の背中に押し付けた、あの腕を。

…そしてその直後、その民間人は焔ビト化した。

森「最悪だ！！

予想はしていたが消防官が焔ビトを造っているだなんて…」

…そういえば、あの時こちらを見ていなかったAは、どうして直ぐに人工焔ビトの出現に気づいたのだろう。

ア「さっき通りすがりのシスターに聞いたがお前が見たローブを着ている人間は第一内でも中隊長の三人だけだ。」

まずはあの現場にいたカリムと烈火を調査するしかないだろう。

そういうアーサーの言葉にはに、Aへの疑問が隅へと追いやられる。

森「随分やる気だな…相手は強敵だぞ」

当然だとアーサーは今までにないやる気を見せる。

焔ビトを造り出す人間など、アーサーだって許せないのだ。

ア「誰であろうと絶対に許さん！！」

アーサーはそう言うと、ふとした疑問を森羅に投げかける。

何故Aには相談しないのかと。

同じ第八の人間であるAがこの話合いにいないのは、これ以上ないほどに不自然だ。

Aだって、人工焔ビトを造りだす輩の事など許せないはず。

それなのに、何故。

森「…だって、Aが聞いたら絶対止めるだろ。」

ア「………」

森羅の言葉に、アーサーは何も否定しなかった。

…つまりは、そういう事だ。

Aがもしこの場にいたなら。

きっと森羅達の意見も聞いた上で、反対し、止めただろう。

……そして、きっと上手く丸め込んで、自分達を納得させてしまうのだろう。

貴『もう少し様子を見るべきだ。』

そんなふうに言うAが、目に浮かぶ。

そして、なんだかんだ言って調査を諦める自分達の姿も。

森「今回は、俺達二人だけで調査する。」

今は、突っ走るべきだと思ったから。