喜劇で悲劇の人形劇第四幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ21)

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第170話あの子への不安ページ21

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茉「ええっ！？Aのファンクラブサイト！？」

夕食時、当然桜備の電話についての質問があり、ごまかすことも出来ず正直に事実を告げれば茉希からあったのはそんな反応だった。

当然、次の言葉には見たいです！と言う言葉が続く。

桜「いやでもAはあんまり見てほしくないっt」

茉「絶対Aには言いませんから！！」

桜「いや〜…」

正直、こうなる確信はあった。

予想は出来ていた、が、どうにもならなかったのである。

予測可能回避不可能、というやつで。

桜「(すまん、A…)」

そう心の中で謝りながら、桜備は食事に箸を付けた。

今頃は、A達も夕飯を食べている頃だろうか。

Aは第一でも一人で食事をしてるのだろうか。

森羅たちは問題を起こしていないだろうか。

そんな心配事が頭を回る。

桜「(…Aは、無理をしていないだろうか)」

そんな考えとともに、桜備の食事をすすめるスピードが一気に遅くなった。

どうしても、Aへの心配が尽きないのだ。

それは彼女が7年前のあの少女だから。

それは、彼女が何か大きな秘密を抱えている気がするから。

…それは、ここ一番と言うとき、彼女の感情を読み取れないから。

彼女が、あの子が、~~不気味~~だか

茉「大隊長？」

桜「っ！」

嫌な事を考えてしまい、茉希の呼びかけに過剰に反応してしまう。

おかげで箸で掴んでいたおかずを落としそうになり、慌てて掴み直して安心する。

どうしたのかと尋ねれば難しい顔をしてたのでと心配そうに言われた。

茉「あ、もしかしてAの事考えてたんですか！？」

桜「え、」

茉希の思考どおりでは無いにしても、図星をつかれた桜備は分かりやすい反応を示す。

やっぱり〜！とテンションの上がる茉希にやってしまったと思いつつそういうんじゃないんだけどなとため息をつく。

桜「俺はただあいつ等が上手くやってるか心配で…」

茉「またまた〜！」

そうにやにやする茉希に桜備はため息をつく。

どうしてこう茉希は自分とAをくっつけたがるのかと悩んでいると、茉希の言葉に少し耳を疑った。

茉「森羅達はともかくAなら大丈夫ですよ！！」

だってAですよ！？と熱弁する茉希に、さらに不安が大きくなるのを感じた。

ああそうだ、と心の中で呟いた。

桜「(Aのそういう所も、俺は酷く心配なんだ。)」

彼女なら。そう思わせてしまうほどのあの子のカリスマ力が。