喜劇で悲劇の人形劇第四幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ16)

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第165話いざ報告書を求めてページ16

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元の服…とはいったものの約束は約束なので相変わらずの第一のシスター見習いの服を身に纏うA。

何も感謝する事など無かったが、一応形式上ありがとうございましたと言ってカリムに服を返す。

脱いだ時に確認したが、服はいうほど伸びてはなく、Aの心配したような事にはならなかったため、ローブは何事もなく返す事になった。

貴『それで、お願いの件なんですけど』

カ「そういやそんな話だったな」

ちょっと頼みごとがありましてと少しかしこまるA。

足を閉じてピシッとすれば、修道見習いの服もある程度は似合っていた。

貴『第一の報告書見させてください』

カ「あぁいいぞ。」

さらっと出てきた回答にAは思わずフリーズする。

一方カリムの方は一体何を頼まれると思っていたのか何だそんな事かと言う顔をしていた。

貴『ここ最近のだけじゃなく古いのも見させて欲しいなーって…』

カ「第一は出来て長いから相当大量な量あるが別に構わねぇぞ。」

あまりにもあっけらかんと許可を出すカリムにAは拍子抜け。

どれだけ言いくるめてでも見ようと思っていた為にあまりの不用心さに脱力してしまう。

貴『…勝手に他隊の人に貸していいんですか？』

カ「見られて困ることもねぇからなァ…」

敷地外に持ち出したり紛失さえしなければ構わないと言うカリムになんて軽いんだとAはため息をつきたくなってくる。

貴『(焔ビトの情報は各隊で保管じゃねえのかよ…)』

まさか本当にまだ焔ビトについて何も解明できていないというのが真実なのではないかと嫌な想像すらしてしまう。

貴『(……そうだったら、まだマシなんだがなぁ…)』

カリムに連れられ、報告書の保管場所へと連れて行かれる。

広い部屋に、大量の報告書が並べられている。

流石第一と言ったところか、報告書は丁寧に整頓されており、綺麗に地区ごとに古い順で並べられていた。

その中にはかなり古ぼけた報告書も。

貴『圧巻ですねェ…』

カ「定期的に整頓はしてるがこれだけの量となると読むのも面倒で大変だからなァ…」

読もうとする奴なんかほとんどいねぇよと言うカリムを横目に、Aはもの珍しげにキョロキョロとあたりを見渡しながら報告書を物色する。

カ「にしても…報告書がみたいだなんて物好きで珍しいな。」

貴『個人的な研究みたいなもんですよ。』

調べられる物から調べていこうと思ってとAは棚を見つめた。