喜劇で悲劇の人形劇第四幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ13)

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第162話思わず取った受話器ページ13

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いい加減そろそろ閉じようかとカーソルを動かした時、ふと新着というアイコンにnewと言う表示がついてるのが見えた。

なんとはなしにそこをクリックすると1枚の写真と女子高生が描いたような絵文字いっぱいの文章が出てくる。

○月✗日 16:13

［Imgur］

ヒカリ様の中隊長服姿♫

カリム中隊長のなんだけど超ぴったり〜(⁎˃ᴗ˂⁎)

修道見習い姿も可愛かったけど中隊長のローブ姿めっちゃかっこい♡(≧▽≦)

本当にヒカリ様が中隊長になってくれればいいのに〜！！( *¯ ³¯*)

考えるより先に体が動いていた。

気付いたときにはいつの間にかAに電話をかけていて

プルル…ピッ

貴『はいもしも』

桜「お前第一の中隊長になったりしないよな！？」

……そう、受話器に向かって叫んでしまっていた。

気付いてしまった時にはもう遅い。

シン…と部屋の中に静寂が響きわたった。

暫くの沈黙の末、受話器の向こう側から心底呆れたような声が聞こえた。

貴『大隊長…いくら心配だからってストーカーは良くないですよ』

桜「違うんだ待ってくれ！！」

いやほぼ変わらないだろと内心考えつつも故意じゃないんだと必死に言い訳をする。

桜「その、人体発火についてでAの両親の事件についても調べてみようと思って！！！」

相手に見えるわけでもないのにワタワタと手を動かして必死に喋ってしまう桜備。

傍から見ればそれはたいそう滑稽だったろうが、今の桜備にはそんな事を考えている暇はない。

桜「それでっその…！」

貴『……それで試しに私の名前を検索にかけてみたら私のファンクラブサイトが出てきたと？』

桜「そう！！！！」

Aが正解を導き出してくれた喜びで桜備は思わず大きな声で同意する。

とりあえず誤解はとけたと安心し、ほっと一息ついた。

貴『…まぁ、言い分は分かりますけど上司に自分のファクラサイト見られるとか気分のいいもんでは無いんであんま見ないでください。』

桜「あっ、そ、うだな！！分かった！」

貴『………もう見た後なんですね…』

桜「悪い……」

受話器から大きな溜息が聞こえる。

顔は見えないものの、心底呆れているのは受話器越しでも十二分には分かった。

貴『…安心してください。あれはただ成り行きで着ただけです。

本当に中隊長になったりなんかできませんししませんよ。』

桜「そ、そうだよな…」

寂しかったですか？とAの揶揄うような声が受話器から聞こえた。