喜劇で悲劇の人形劇第二幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ7)

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第56話バカの相手は辛いよページ7

NOside

そうジョーカーが笑った次の瞬間

貴『私を忘れるなよ』

気付けば背後にAがいた。

まるで球でも打つかの様に炎を振り切る。

慌てて躱したからいいものの、直撃していれば骨折は免れなかっただろう。

ｼﾞｮ「おっまガチかよ！！」

貴『不審者にかける情なんざあるわけねえだろ』

グルグルと炎を回して笑う彼女は悪魔そのものだ。

…そんな時、ふと人の気配を感じた

貴『っ！』

ヒュッとジョーカーがカードを投げる。

Aが慌ててそちらを向いたがその炎は当たることなく剣によって弾かれた。

貴『アーサー！』

ｼﾞｮ「ゆっくりし過ぎたか…」

邪魔が入ったなとつまらなさそうなジョーカーと来たのがアーサーだった事に少しほっとするA。

どれほどの実力か分からない人間よりも実力を把握仕切っているアーサーが来てくれるのはありがたい。

しかしアーサーの後ろから顔を出した環の顔を見てAは内心ゲッと嫌な声を漏らした。

そりゃそうだ。

先程までのラッキースケベを見ていた…というか巻き込まれたAからすれば戦場に置いて邪魔でしかない存在だった。

その上次のアーサーの言葉によってAは頭を抱える事になるのだ。

ア「待たせたな！！焔ビト役！！」

貴『説明ん時いたやつと全然違うだろ…！！』

何故この緊張感を感じ取れないのか。

そう思っていれば森羅が丁寧に説明…というか指示をする。

こういう時は冷静だな…と思いながら聞いていた…が…

ア「嘘をつくな勝つのは俺だ」

森「は！？」

残念ながらアーサーは奇跡のバカなのだ。

貴『はぁぁぁぁぁぁメンド…』

森「こんな時に嘘なんかつくか！こいつは超危険人物だぞ！！早く外の隊長に報告しにいけ！」

貴『お前がちゃっちゃと行ってればこんな事にはならなかったんだぞ森羅』

森「うぐっ…！こんなに強いと思わなかったんだよ！！」

とにかくさっさと行けと森羅がアーサーに言うがアーサーは全く聞く耳を持たない。

ア「そんな汚い手を使ってまで勝ちたいか第八の恥だな」

貴『これが嘘だったら楽だったんだかな〜』

森「このバカ騎士にそんな嫌味通じるかよ！！！！」

もはや諦めの境地に入っているAに森羅が怒鳴るがAはヘラヘラ。

一周回って余裕が出たらしい。

ア「俺が捕まえる」

ｼﾞｮ「その剣を振り回してどう俺を捕まえる気だ？」

そう躱しながら言うジョーカーに便乗してAもそうだぞ〜と笑っていた。