喜劇で悲劇の人形劇第二幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ38)

今日:2 hit、昨日:22 hit、合計:23,817 hit

第87話やれるもんならっつー話ページ38

NOside

別にどこの隊でも構わないのは本当だしなと言うAに肝が冷えたぞと言う桜備達。

けれどAはあれが最善だったんですと堂々と主張した。

貴『こちらはあくまで構わない。

でも其方につく理由も無けりゃそっちが私を引き入れる力もない。

それを分からせるための話術ですよ。』

桜「これで本当に移動命令が来たらどうするんだ…」

来るわけ無いでしょうと当たり前のように否定するA。

どうしてそんなにも言い切れるのかと問えば彼女はその前にはやく乗りません？とマッチボックスの方を指差した。

確かにずっとここで立ち話をするのもなんだ。

話は戻りながらする事にしようと、全員マッチボックスに乗り込んだ。

貴『さて、移動命令が来たらどうするかって話ですけどね

まぁ殆どの確率で移動命令は来ませんよ。』

茉「どうして言い切れるんですか？」

だってこちらにメリットが無いじゃないですかとAは当たり前のように答える。

貴『傍から見ても研究特化の第五とオンボロの第八で、ウチから第五に私をやる理由が無いんですよ』

森「お前そんなはっきりと…」

桜「いや…まぁ納得はできるんだが…」

手厳しいな…としょげる桜備。

で、でも俺は第八のが好きですよ！と森羅はフォローを入れていた。

火「いくらこちらにメリットがないと言ってもそれは引き抜きの話だろう。

もし交換条件を出されたらどうする？

こちらに優位な内容ならメリットはあるだろう」

そう運転しながら尋ねる火縄に、Aはそれでも大丈夫ですよと余裕綽々で答える。

貴『言ったでしょう？私の入隊を決めるために、上は相当揉めたはずなんです。』

それなのに私が簡単に引き抜かれたらどうでしょう？とAは笑う。

揉めた末での決定。

それを簡単に覆したりなどすれば、上は更に揉めるだろう。

ならば自分も、自分もと状況は混沌を極める筈だ。

それを防止する為にも、移動命令は来ないだろうとの算段だった。

そういえばとふと桜備は思い出す。

それはAがやってくる1日前の事。

桜備にある人から電話がかかってきたのだ。

相手は消防庁の長官で

長「桜備！！やったぞ！！！」

桜「ど、どうしたんですか急に！？」

電話口から興奮気味な声が聞こえてくる。

驚きつつも話を聞けば、長官は勝ち取ったぞ！と嬉しそうに言った。

長「あの子！A緋雁！！無事第八に入隊だ！！」