喜劇で悲劇の人形劇第二幕【炎炎ノ消防隊】 (ページ34)

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第83話勝手な我儘プリンセスページ34

NOside

くだらない話をしていれば、あっという間にマッチボックスは森羅の元へと到着する。

降りて状況確認すれば何故かあの焔ビトはおらず、森羅と対面するように第五の隊員が大勢立っている。

その先頭には第五の大隊長、プリンセス火華が。

桜「第五…？ここで何をやってる」

プ「今回の焔ビトほど自我のあるものは珍しい。

このまま処理されるのは勿体無い。」

あの焔ビトを第五で確保させてもらうと言う火華。

しかしここは第八の管轄区。

話も通さずやってきて許可も取らずに確保するなど、少々勝手がすぎる。

プ「焔ビト化した時点で戸籍上は死亡扱いとなり、鎮魂で死体も灰に還るのだ。

ならばそのまま預かっても問題はないと思うが？」

それに…と火華は続けて話す。

第八にとってかなり痛い部分を

プ「親切の第八にはまだ科学班もいないと聞く。」

そう、第八には、小隊だなんだ以前に科学班も、機関員もいないのだ。

明らかな施設不足は拭えない。

それならば自分達第五が持ち帰り調査したほうが良いという火華の言い分に、桜備達は納得せざるをおえない。

桜「調査結果は我々にも共有してくださるんですよね？」

プ「もちろんだともッ」

そう笑う笑顔には明らかにこちらに情報を渡す意志はない。

…しかしここで引き下がらないと言うこともできないのだ。

桜「行くぞ、あとは第五に任せる。」

森「しかし…」

貴『諦めろ。施設の話を出された時点でこっちの負けだ。』

すっかりいつもの彼女に戻った火穗が、そう森羅の背中を軽く叩く。

戻ったことによる安心と、第五に対する悔しさでなんとも言えない気持ちになる。

しかしここは引き下がらなければいけないので、桜備に続きマッチボックスに戻ろうとすると…

「だっせェー」

そんな、こちらを馬鹿にしたような声が聞こえてきた。

声のした方を見れば、明らかに舐めた顔をした同い年くらいの少年がガムを膨らませながらこちらを嘲笑っていた。

ｶﾞﾑ「第八の大隊長ってさぁー

無能力のザコなんだろ？マジだっせェー」

そんなガム少年を見てA呆れ顔をする。

馬鹿な男だ。

相手の実力も分からず本人の前で当たり前のように貶すだなんて。

相手にする価値もない。Aはそう思いマッチボックスに戻ろうとするが、やはりバカ二人の方はそうも行かないらしく。

ア「なんだと貴様！！」

森「やんのかコラ！！あ！？」

すっかり挑発に乗せられていた。