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第41話 夜中の星々煌めいて ページ42

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時計を見れば深夜1時。

まだ外は暗いままだ。


桜「(変な時間に起きてしまったな…)」


とりあえず水でも飲んでからもう一度寝ようと思って部屋を出ると


貴『あ、』

桜「A」


ばったりAと出くわした。


桜「こんな時間にどうした?」

貴『変に目が冴えちゃって。少し散歩でもしようかと』

桜「こんな時間にか?」


真っ暗な外を見て心配そうな声を出す桜備。

しかしAはこの位の時間は人がいなくていいと言う。


貴『そういうアンタはどうしたんです?今日の夜勤は確か火縄中隊長でしょう?』

桜「いや、俺も変な時間に起きたから水飲んで寝なおそうと思って」


偶然ですねなんて言って外に行こうとするA。

やはりこんな時間に女の子1人を歩かせるのは心配だ。


桜「待ってくれ、俺も行く」

貴『は?なんでですか?』

桜「危ないだろ」

貴『不審者なんか敵じゃないですよ』

桜「駄目だ、待ってなさい」


火縄に一言言ってくると言って歩いて行く桜備。

こうなったらもう話を聞かないと思ったAは諦めて散歩へ行く準備を始めた。


貴『(ついでに借りてた本返すか…)』


バッグに借りていた図書館の本を入れて桜備を待つA。

しばらくすると火縄を一緒に連れた桜備が現れた。


火「散歩に行くのは構わんが人体自然発火現象はいつ起こるか分からん。

あまり遠くには行くなよ。」

貴『分かってますよ。管轄区域から出るつもりはありません。』


そうため息をついて頭を掻くA。

やはり桜備がついて行くのは不服そうだ。


火「それから、帰ってきたらちゃんとまた寝ろよ。

今日の新人大会、寝不足で全力を出せないだなんて事にはなるな。」

貴『それも分かってますよ…

ったく…アンタは私のオカンですか』

桜「確かに火縄はお母さんっぽい所あるよな」


俺は男なんですがと真顔でいう火縄に少し笑う二人。

そのまま行ってきますと挨拶をしてA達は玄関を開けた。


空はやはりまだ暗い。けれども暗い青紫の空には、金平糖の様に散りばめられた星たちがキラキラと力強く輝いていた。


桜「今日は星が綺麗だな〜!」


夜の散歩も偶には悪くないなと笑う桜備にAはそうですねと同意した。


貴『……でも、もうあの星達の光は終わってるかもしれませんよ。』


星の光が届くには何百万年もの時間がかかる。

自分達が見ている星達は、もう既に

…無くなってしまっているかもしれない。

第42話 星と故人→←第40話 昔々の過去の夢



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ふたば(プロフ) - この作品とても面白くて大好きです!夢主ちゃんのスパダリっぷりに思わずキュンキュンしてしまいます笑これからも執筆頑張って下さい✨ (2021年10月25日 0時) (レス) @page50 id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すごく面白いです!更新頑張ってください! (2021年9月30日 18時) (レス) @page2 id: cc011a7ffe (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 色々ありますよね、大丈夫ですよ! (2021年9月20日 0時) (レス) id: 19eff5b33e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:3度の飯より推しが好き | 作成日時:2021年9月18日 20時

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