第40話 昔々の過去の夢 ページ41
貴方side
久しぶりに、家族の夢を見た。
ポクポクポクチーン…
部屋中に言葉にすらなってないお経が響く。
…家族の夢、と言っても両親の葬式の夢だ。
この頃の事は、頭がぼうっとして、何も考えられなくて、よく覚えていない。
…でも
パンッ
志「アンタの…アンタのせいで…！！」
………何故か、海呼音ちゃんのお母さんが凄く怒っていた事だけはよく覚えている。
うちのの母と海呼音ちゃんのお母さんは、親友だった。
きっと、海呼音ちゃんがしんで、親友が死んで。
どちらも私が殺したようなものだったから、怒りが抑えられなかったんだろう。
貴『(………志帆さんには、本当に悪い事をした)』
娘を殺して、親友を殺して。
その上息子まで奪ってしまった。
きっと、今日この夢を見たのは志帆さんに会ったから。
貴『(………もう、二度と会いたくないな…)』
驚いて動けない小さな私の後ろから彼女を見つめて目を閉じた。
このまま見続けていたら、燃えて死んでしまう気がしたから。
貴『(…もう、同じ轍は踏まない)』
踵を返して歩き出した。
ぼやけた風景、ぼやけた顔。
何を言っているか分からない、ヒステリックな声だけが響く。
何もかも曖昧な記憶、夢。
外に出ればそこは火の海で、今度は酷い悲鳴が響く。
それは男のものだったり、女のものだったり
………
祐「どうして…！どうしてお前が来るんだよ！！！」
苦しみに悶える少年の手を、私はしゃがんで手にとった。
祐「そうやってまた！！姉ちゃんみたいに俺をころすのか！？そうやってまた母ちゃん泣かすのかよ！！なんで！！なんでお前なんだよ！！！」
少年は、叫ぶ。
鼓膜が破れそうなほどの大声で。
祐「お前が…！A、姉ちゃんが来たら！！また母ちゃんお前のせいにしちゃうじゃん！！！
なんで、なんでA姉ちゃんが来るんだよ！！！」
泣きながら、そう祐介は叫んだ。
そんな君に、私はごめんなとだけ謝った。
本当に、ごめん。
貴『(君のお母さんを傷付けて。
………君を、殺してしまって。)』
目を閉じれば、ドサッと何かが崩れ落ちるような音が聞こえた。
開いた目に映るのはただの黒い
立ち上がったことによって床に打ち付けられた灰は無惨に崩れ、広がった。
貴『(…いつもの事だ)』
そう、心の中で呟いて、私は
ザクッ
炎を自身の左目へと突き刺した。
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ふたば(プロフ) - この作品とても面白くて大好きです！夢主ちゃんのスパダリっぷりに思わずキュンキュンしてしまいます笑これからも執筆頑張って下さい✨ (2021年10月25日 0時) (
レス) @page50 id: 4559ad2a7b (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - すごく面白いです！更新頑張ってください！ (2021年9月30日 18時) (レス) @page2 id: cc011a7ffe (このIDを非表示/違反報告)
陸(プロフ) - 色々ありますよね、大丈夫ですよ！ (2021年9月20日 0時) (レス) id: 19eff5b33e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：3度の飯より推しが好き | 作成日時：2021年9月18日 20時
