幼馴染【tn】(学パロ) ページ3
tn｢へい、A｣
名前を呼ばれ振り返ると、幼馴染のトントンが自販機で買った缶ジュースを投げてきた。
ナイスキャッチ と笑う顔が眩しく、目が眩む。
幼少期から一緒で、今はもう高校三年生。
親同士も仲が良く、母親から｢付き合えばいいのに。｣としつこい程言われ、
そりゃ、できるなら私だってそうしたい。と言いたい気持ちを噛み殺し続けている
tn｢そういや聞いとらんかった、お前高校卒業したらどうするん？｣
｢んー、普通に大学行ってそのまま就職して、だよ。｣
tn｢ふーん...どこの大学？｣
｢○○大。そう言うトントンは？｣
tn｢俺も進学するで。そして残念やったなA、大学は...｣
大学名を言う直前で溜め、なかなか言い出してくれない。
『残念』とはどっちの意味なのだろうか。
また同じ の残念なのか、次は違う の残念なのか。
tn｢同じですぅ｣
ほっとして溜息を着く。しかし、早まった心臓の音は、さらに激しく鳴り響く。
同じだった事が嬉しくて、まだ一緒に居れることが嬉しくて。
｢すごいね、また一緒なんだw｣
tn｢おん、なんでやろなあ...。まあええわ、帰ろ｣
傍にあったベンチに座っていた私に手を差し伸べ、ぐっと引っ張ってくれる。
勢いよく立ち上がったせいかよろけて彼の体にしがみつく。
大丈夫か？という優しい声が恥ずかしさや緊張を倍増させた。
いつも通り真横にくっつくようにして帰り道を歩く。この光景を見た友人には必ずからかわれるが、それでもこれをやめたことは無かった。
もう少しで家に着くという所でトントンにずっと聞きたかった事を聞いてみる事にした。
｢ねえ、トントンって好きな人...いる？｣
tn｢.....うん、いるで｣
胸が注射針で刺されたようにチクッと痛む。
それと同時にほんの少し、本当に少しだけ、期待してしまっている。
｢聞かれたくなかったら＿＿＿＿｣
聞かれたくなかったらごめん、そういい切る前に口を手で抑えられ、
tn｢お前。｣
とはっきり口を動かしてそう言う。
夢なんじゃないかと思うほどアッサリしていて頭が追いつかなかった。
tn｢ずっと好きだった。ちっちゃい時からな｣
｢っ、トントンらしくないじゃん、いつもなら、思った事すぐ言うくせに｣
涙をぐっとこらえ、震える声でそう言う。
トントンは何も言わず抱きしめてくれた。
＿＿＿＿
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作者名：ぽん | 作成日時：2021年1月23日 1時
