魅惑の花

涙は最後に ページ8

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ハナちゃんが戻ってきて

この練習場にも活気が戻ってきている









ハナちゃんに、みんなで

1つ1つ丁寧に教えてあげて









今では1番上手なんじゃないか

そう思うほど上手くなっている









『あゆむ〜』









幸せそうに笑って

俺に駆け寄ってくる









歩夢「なーに？」









" ｽﾞｷﾘ "









ハナちゃんの

笑っている顔を見る度に









胸がズキズキと痛みだす









理由は明確に分かっていて









" 脱落_________ "









今回ベネフィットを取れなければ

かなり厳しくなるだろう









『今日も一緒にご飯食べようね』









歩夢「うん、あたりまえ」









こんなどうってことない

ハナちゃんとの約束だって









今ではすごく大事に思えてくるし









もう、この約束すらも

出来なくなると考えると









胸が苦しくなる









『なんで泣いてんの......』









我慢しきれずに

モヤモヤと共に溢れていく涙









歩夢「ハナちゃっ......」









小さくて、華奢な体を

思いきり抱きしめる









『どうかしたの？』









今だったら、君に

俺の本音を言えるかな？









言おう、言おう、そうは思っても

心のどこかで思いとどまっている









俺がこの胸の内を

君に伝えた時









君はどんな顔をするかな









雄大「ハナちゃん〜
波留たちが呼んでたで」









" 歩夢君は俺に任せて！ "









雄大の一言で、安心したように

俺の元から離れるハナちゃん









雄大「まだ、早いんじゃ
ないんですか？」









" 涙は最後にとっておきましょう "









言わなくて

よかったかもしれない









もし、言ってしまったら









また、君を









傷つけてしまうかもしれなかったから









雄大「今は思いっきり
泣いてください」









ハナちゃんに悟られぬように

声を押し殺して泣いた









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