魅惑の花

これからも、ずっと ページ24

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歩夢「A」









もう会えなくなる、そう思って

初めて名前を呼んだ









『俺、頑張ったよ』









目を真っ赤にして

俺のジャケットを強く引っ張る









歩夢「よく頑張った」









『離れたくない』









歩夢「俺も」









泣きそう......









でも、俺は泣かないと決めた

Aを気持ちよく送り出すためにも









『俺ら一心同体だよ？
いっしょにデビューするんだよ......！』









Aの涙で

俺のジャケットはビショビショだ









歩夢「ううん、これからは
Aが俺の分まで頑張るんだよ」









『そんなのっ、！無理だよ』









俺だって離れたくなかったし

Aを離したくなかった









でも、今更結果は変えられない

受け止めるしかないんだ









歩夢「無理じゃない
Aならできる」









首を横に振り続ける









俺の耳に付けている

花のピアスを外して









Aにそっとつけてあげる









歩夢「これで俺らはどこでも一緒、ね？」









" 脱落した練習生は
集合してください "









別れというのは残酷で

もうその時が来てしまったようだ









歩夢「じゃあ、今までありがとう
今もこれからもずっと大好きだよ」









" ばいばい "









そっとAから手を離して

階段をゆっくりと降りていく









『俺、絶対歩夢の分までデビューする！
歩夢のことが1番に大好きだよ！』









Aの方を振り返らずに

手を降って返事をする









もし、振り返ってしまったら

もう二度と離れられなくなる気がしたから









部屋を出て、座り込み

声を殺して静かに泣く









止まらない涙を

優しく拭ってくれるAにはもう会えない









Aがデビューできますように









大好きだよ









今も、これからも









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