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｢なんか…｣
ゆっくりウイスキーと炭酸を混ぜて喉に流し込みながら話し始める湧
何時になく真剣な顔してるからわたしも手を止めて湧くの方を向く
｢…カノジョでもない女の子がほかの男と話してたらさ｣
｢うん｣
｢嫉妬してどうにかなりそうなんだよね。自分が自分じゃなくなる｣
｢…え？｣
｢これって好きってことなの？ ｣
そう言って、真ん丸な目でわたしの顔をみた。
ああ。湧、好きな人がいるんだ。
…分かってたこと。それは、ほんとにわかってたことだから。
当たり前だよね…湧モテるもん。
サークル内の子かな、だれだろう。
いや、知りたくないや。
てかそんなこと私に聞くなんて、ほんとにわたしの気持ちに気づいてないんだなあって。
わたし自身が望んだことなのに、急にくるしくなる。
｢…んーそうなんじゃない？｣
精一杯、声を出した。
｢やっぱそうかー｣そう言って頭を抱える湧。
その後もあー、とかうー、とか。
ブツブツ言って急に立ち上がったと思えば
｢…あーやっぱむりかも、俺帰るわ｣
そういってグラスに入ってたウイスキー一気に呑んでカバンと上着を片手に取り玄関まで歩いていく。
｢…え？ちょ、湧｣
咄嗟に出ていく湧の腕を掴んだ。
やっぱり様子がおかしい、とおもって湧の顔をもっかい見ると
｢…どうしたの？
顔真っ赤………｣
見たことないくらい、赤い顔をした湧。
｢酔った？だいじょぶ？｣水とってこようか？って湧の顔をのぞき込む。
その瞬間湧の顔が近くなって視界が真っ暗になった
同時に唇に暖かいものが当たった。
それが湧の唇だと気付いた時には体温に包まれてた。
｢…むり、まじで｣
｢え？え？ど、うしたの？｣
酔っ払い？なに？いま何が起こったの？
パニックになってるとぎゅうっと抱きしめられる感覚
｢ちょ、まって、湧？酔ってる？｣
｢……好きって気づいたら、自分の行動止められねえ｣
｢…マジで好き、Aのこと。｣
fin
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作者名：ぴ | 作成日時：2022年5月8日 12時
