アルコール度数（Waku.M） ページ5
｢湧ー！後でこっちきて！｣
｢ねえ湧！こっちもきて！｣
｢平塚とチェンジしてー湧ー！｣
先輩とか同期の女の子たちの声がこちらに飛び交う
｢ねえ、呼ばれてるけど｣
｢いーの、俺はここがいい｣
｢…人気者ですね｣
｢そんなんじゃねえわ｣と笑われた。
湧は大学のサークルの同期
学部もおなじ、バイトもおなじ。
人気者の湧は友達が多いけどわたしは極少ないからそんなわたしと一緒にいてくれることが不思議。
｢ねえ明日何限だっけ？｣
｢一限だよ、だから早く帰んなきゃ｣
｢じゃあ俺も一緒に帰る｣
｢いいよ湧は、どうせ明日も大学来ないんでしょ｣
｢バレた？｣とゲラゲラ笑ってる
｢だからもうそろそろしたらひとりで帰るね｣
私は真面目なんで、と言うと｢ばか｣と頭を叩かれる
｢湧と違ってばかじゃないし｣
｢ばかだよ、だから俺も一緒に帰るの｣
私が持ってるグラスに湧が手を重ねてきた。
｢ね、酔ってるの？｣｢酔ってねーよ｣
そんなやり取りをしてたら平塚くんがこっちにきた。
｢湧、もう俺限界、あっち一緒に来て。あいつら湧がいいってうるせー｣と湧を無理やり連れで行く。
｢いってらっしゃい｣
｢まじA帰る時俺に声掛けろよ｣
｢はいはい｣
そう言うと満足した顔で平塚くんに連れてかれる。
まあ声かけないで帰るつもりだけど。
｢相変わらず湧先輩に守られてるねAちゃん｣
空いた隣の席に一つ下の黒ちゃんが座ってきた。
｢そんなんじゃないよ(笑)黒ちゃん顔真っ赤だね｣
｢先輩たちにのまされたの、たすけてよ｣
｢もうおそいね、水のみな？｣
｢んーありがと｣
私の方によりかかる黒ちゃんは距離が近い
サークル入ってきた当時からこんな感じな黒ちゃんはすぐに懐いてきて犬みたい(笑)可愛くて撫でる。
｢ねえ頭ボサボサにしないでー｣
｢わんちゃんみたいだよね｣
｢やめろーーー！｣
そんな感じで黒ちゃんと話してたら向こうにいったはずの湧が気付けば私の横に来てて、荷物を持ってる。
｢おい帰るぞ｣
｢え…まだ｢まだじゃない、明日一限だろ｣
.
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作者名：ぴ | 作成日時：2022年5月8日 12時
