【テニプリ】魔王様は今日もきっと元気です

立海女子と偽遊、３ ページ13

この後、
コート内で誰も見つけることができなかったAは幸村の元に戻ることにした






戻ると、あいも変わらずぐったりしている幸村と、
いつの間にか集まったレギュラー陣がいた


「あれ、みんな集まってたのか、道理でコートにいない訳だぜ」


「そ、そりゃあ部長の幸村くんが倒れてたら皆集まるに決まってんだろぃ」


ふーん、とブン太の言葉を軽く流し、
幸村の傍にしゃがみこんだ


「おーい、幸村ぁ、起きてんだろ？
皆心配してるからさ、起きてあげたら？」


彼はまだ動かない


「幸村？そのままだと皆に苦労かかるぞ」







「........もぅ........折角楽しんでたのになぁ........」


幸村は渋々、といったふうに起き上がった


「ほんと、皆面白いね、
仁王と柳生はわかってたんだろ？」


周りを見ると、頷く仁王に柳生と、
今にも顎が外れそうなくらい口をあんぐりと開けた残りのレギュラー陣がいた


「ゆ、幸村............俺たちを騙していたのか........」


倒れそうな真田


「幸村君............もうAと変わんねぇよ........」


苦笑いのブン太


「............................」


言葉すら出ないジャッカル


「精市でもふざける............後でノートに書いておこう」


こんな状況でもデータを取る柳


「ゆ、幸村部長............ほんとに大丈夫なんっスよね........」


未だ心配する赤也



反応は様々だが、皆驚いたことに変わりはなかった


「あはははは、あーおもしれー............ふはっ」


Aは爆笑しすぎてもう苦しいゾーンに入ってきている



当の幸村は笑っているだけで何も言わない




ようやくAの発作が治まったとこで、
幸村が声をかけた


「A、面白かったよ、ありがとう」


「いやいや、礼には及ばねぇよ、こっちこそありがとな」


「うん、だけどね、君のこの騒動のせいで皆の練習が妨げられたんだ............どうなるか、わかっているよね」


Aの背中に悪寒が走る


忘れていた、きっとこうなる可能性を


「俺と試合、容赦なくイップスもかける」


Aは目の前の人物が仁王であることを願った


「....因みに俺は仁王じゃないよ」


切実な願いは、容赦ない神の子によって崩された


あぁ、主よ、私を救いたまえ............


彼女は祈ったがもう遅い



「きっちりと反省してもらうからね」

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