111話有栖院家 ページ18
リリィ「ちょ、ちょっと待ってて下さいね?!」
リリィは洞堂の背中を押しAから少し離れた場所に移動する。
本来、お客様を玄関に待たせるなどありえないがリリィはマナーも忘れるほど気が動転していた。
Aはそんな二人の行動を疑問に思うも言われた通りにその場に留まる。
リリィは洞堂に耳打ちをして彼女に聞こえない程度の音量で話す。
リリィ「洞堂さん、あなた相手が誰なのかわかっているのですか?何を教えたんです?!」
洞堂「誤解です。
いくら温室育ちのお嬢様でもいずれ男を知る身、俺はただ前振りをしただけです。」
リリィ「意味が分かりません!」
会話の内容が気になりあわあわとするリリィとは対照的に洞堂は愉快であった。
洞堂「あの娘なかなか面白いですよ。最初は仏頂面で機嫌損ねてるのかと思ってたんですけどね…アホ毛と同じ匂いがします。
意外にチョロいところとか、騙されやすいところとか…揶揄いがいがあるんでよね。
アホ毛とも相性良いと思いますよ。」
リリィ「だから何があったんですか?!
あとまだ御園とはそういう関係ではないんですよ…」
洞堂「え、まだなんすか。」
何を話しているのかは知りもしないが、何やら盛り上がっている様子。
声をかけるタイミングが図れずに、私は突っ立っている。
A(…まだかしら。)
私はいつまでここにいればいいの。
・・・
天井は高くどこまでも続く長い廊下。
どこぞの古城に置かれていそうな西洋甲冑が並べられている。
恐らくお飾りなのだろうが、どう見ても不必要だろう、勿体ない出費だ…などと庶民くさい思考になる。
自分の家柄も上流階級ではあるが、高校生になって一般人と変わらない生活を送っていたため、価値観のズレが生じていた。
だから、この家の規模にも普通に圧倒される。
リリィ「先程は失礼しました。
こちらが御園の部屋です。」
最後まで話題については理解できなかったが、多分解決したらしい。
穏やかなリリィさん戻り、扉にノックをした後御園に一声をかける。
了承の返事をもらい、部屋の扉が開かれた。
目に入った光景は二人分の席が対面するように用意されてあり、中心には白いテーブルクロスが敷かれた長方形のテーブル。
その上には様々な種類のお菓子と紅茶のカップが乗せられたティーセットがある。
完全に貴族のアフタヌーンティータイムだ。
相当気合いが入っている…。
御園「待っていたぞ!
貴様のために準備をしてやった、感謝するが…いい…。」
37人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
レモンティー(プロフ) - 抹茶さん» 返信が遅れてしまい申し訳ありません。翡翠の真昼に対する思いや頑張る姿を褒めていただきありがとうございます。キャラの深掘りもどんどんしていきたいと思っています。私情や漫画(本編)の進行具合によってかなり時間がかかると思いますが今後も更新頑張ります! (2021年10月13日 4時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - ちゃちゃさん» コメントありがとうございます。長らく放置していたため返信が遅くなってしまい申し訳ありません。キャラの関係性は特に物語が発展するうえで頑張っている部分なのでそこに着目してくださるとは…めっちゃ嬉しいです! (2021年10月13日 4時) (レス) id: a8c312a3ba (このIDを非表示/違反報告)
抹茶 - 翡翠ちゃんの真昼や桜哉、御園との関係性がすごく素敵ですし、大好きな真昼たちのために少しでも支えになりたいと、頑張る翡翠ちゃんがとっても可愛くて、応援したくなります。更新、待っています。 (2021年1月23日 10時) (レス) id: f3d962ce08 (このIDを非表示/違反報告)
ちゃちゃ(プロフ) - 小説すんごくステキです!さくや、御園との関係性最高です! (2021年1月2日 5時) (レス) id: f790642b1e (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - ありまさん» 大変失礼いたしました!更新や再度名前の確認をいたしましたが機能されているでしょうか?また、お名前の変換が(名前)のままになっていないかなども見ていただければ幸いです。ご不明な点がありましたらコメントでお聞かせくださいm(_ _)m (2020年3月18日 18時) (レス) id: a59b8a8518 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:レモンティー | 作成日時:2020年3月14日 21時