35話女の子だから ページ37
その後、私とさっくんは教室に戻ってそれぞれの仕事をこなす。
城田君がいなくなった今、裁縫担当は私に任された。
A(服って作るの大変ね…)
仕上がった一着のメイド服を広げ、綻びがないかをチェックする。
うむ。初めての割には上出来だ。
「うわぁ！翡翠さん裁縫上手」
クラスの女子の一人が近づき、服を端から端まで見る。
続々と女子達が集まり、喝采の的となった。
こんな事今までなかったから無意識に顔が下がる。
「女子力高ーい！！」
「城田君と良い勝負ね」
こんなの、困るよ。
A「えっと…あ、がと…」
照れたーとからかう者もいれば、反応が意外だと仰天する人も。
いやいや、それよりもこんなに人に囲まれ目立ったことなど無い。
以前の私ならうざったく思うだろう。
ましてや、誰からも嫌われていたためこんな経験こそあり得ない。
だが、今は不思議とこの空間が心地よかった。
「私にも今度教えて！」
A「え、ええ。私で良ければ…」
そう言うと、きゃっきゃと喜ぶ女子達。
笑顔がとても可愛いらしい。
女子同士の約束…なんか良い響き。
A(平常心…平常心…平常心…平常心)
心の中で呪文のように唱え、高揚を抑えつける。
でも、私も人間だ。
そう簡単に気持ちを抑えつけることは出来ないようで。
やだ…頬が緩んじゃう。
A「…我慢。」 ボソッ
桜哉「我慢なんか要らないだろ？」
その光景を遠くから見て一人呟く少年。
きっと気づいてはいないだろうけど。
頬が赤い彼女に優しい眼差しを送る。
ーよかったな。
あとは、素直になればもっと良いのに。
・・・
授業はあっという間に過ぎて、先ほどのことを思い出しながら帰宅するA。
愛猫であるマロはいつも通り主人を玄関前で出迎えるた。
A「マロ、今日の学校楽しかったの。
なんだか贅沢な気分しちゃった」
あの瞬間は、まるで世界一の幸せ者になったような錯覚をした。
大袈裟な例えかもしれないが私にはそう感じた。
マロ「にゃっ」
A「マロ、私は戻れると思う？」
普通の人に、あのクラスの子達のように。
一緒に笑っていいの…かな。
____『馬鹿なことを言わないで。』
『罪人が幸せになろうなんて。赦されない。』
また、耳を劈くような声がする。
いつもいつもそうだ。
この声のせいで私は一気に現実に引き戻される。
私は…
『許さない。私を忘れることは絶対に許さない。』
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ナタデココ(プロフ) - 夢主の本性がどのようにバレるのか､果たしてバレないのか、今から楽しみです！！ (2016年9月13日 21時) (
レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - 黒乃栖+眞姫那@虚飾.og66661akasim.liarさん» コメントありがとうございます！更新停止の予定は無いのでご安心下さい^_^ただ、学生であるため土日の方が多く更新することがあります。とても励みになりました！これからも頑張りますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2016年9月10日 9時) (レス) id: a1258340ec (このIDを非表示/違反報告)
黒乃栖+眞姫那@虚飾.og66661akasim.liar - とっても面白かったです！更新頑張ってください!!応援しています!続き待ってます！更新停止だけはやめてください…！ (2016年9月9日 23時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンティー | 作成日時：2016年7月25日 13時
