32話ヤキモチ ページ34
文化祭近日。当日を迎えるためにあちこちで準備を始めている。
このクラスは喫茶店をやる事に決定した。
桜哉「だーかーら！！」
ああ、始まった。さっくんの吸血鬼話。
まあこのクラスにも人間に馴染んだ吸血鬼がいるけど。
クロ「にゃー」
クラスにもあっさりと公認され、頻繁に来るようになった。ただの猫なら可愛いのよ。
ただの猫なら。
城田君はクロ君を横目に重いため息を吐く。
A「これから大変ね」
私は机を向かい合わせにして、城田君と一緒にメイド服を縫い付けている。
城田君は苦笑いをした。
真昼「あはは…それよりも翡翠さん裁縫上手だね。よくやってんの？」
A「え…まあ、一人暮らしだし。」
心苦しい感情を隠し通した。
全部貴方の真似ですとか絶対幻滅される。
真昼「高校生で！？まあ、俺も同じようなもんだけど…叔父さんは仕事で中々会えなくてさ」
叔父さんと？城田君の……両親は？
何て、きっと聞いてはいけないわ。
真昼「なんならさ、今度俺の家来たら？
何時でも歓迎だからさ。クロもいるし」
城田君の家に…？
私の思考回路が一時停止し、縫う針が指腹に刺さった。
我を忘れたまま、じわりと血だけが広がってゆく。
それを見て、城田君は慌てて絆創膏を付ける。
クロ「ジー…」
真昼「これで良し。締め付けすぎてない？」
A「あ…ごめんなさい。
私の不注意だ。
今度おじゃまさせてもらうね。
お招きしてくれてありがとう」
本当は嬉しい。
嬉しいけど…私はただ彼を見ていたいだけ。
これ以上干渉していいのだろうか。
「城くーんスズのエプロン肩のレースがほつれちゃってるのだよーちゃちゃっと直せる？」
真昼「ああ 多分直せる」
クラスの女子と至近距離に近づき、縫い直す城田君。
鈴原さんの肩の部分を修復している。
私は妙な気持ちになった。
もやっとして好い気がしない。
この晴れない気持ちは何だ？
桜哉「クックク…腹いて」
龍征「何笑ってんだよ」
向こうで小さな笑い声が聞こえる。
何が面白いのかは理解できないが、多分私は馬鹿にされている。
A「…。」
桜哉「ちょ、やめて！その真顔で怒るのやめてぇ」
問答無用。
私は近くにあった箒を持って逃走する彼を追いかけた。
虎雪「やっぱり仲良しさんだね」
ー ピローン
真昼「？」
ポケットから携帯を取り、着信メールを開いた。
ー お迎えにあがりました。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ナタデココ(プロフ) - 夢主の本性がどのようにバレるのか､果たしてバレないのか、今から楽しみです！！ (2016年9月13日 21時) (
レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - 黒乃栖+眞姫那@虚飾.og66661akasim.liarさん» コメントありがとうございます！更新停止の予定は無いのでご安心下さい^_^ただ、学生であるため土日の方が多く更新することがあります。とても励みになりました！これからも頑張りますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2016年9月10日 9時) (レス) id: a1258340ec (このIDを非表示/違反報告)
黒乃栖+眞姫那@虚飾.og66661akasim.liar - とっても面白かったです！更新頑張ってください!!応援しています!続き待ってます！更新停止だけはやめてください…！ (2016年9月9日 23時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：レモンティー | 作成日時：2016年7月25日 13時
