27話残虐 ページ29
※流血シーンがあります。苦手な方は飛ばして下さい
「何処へ行かれるのですか？」
鳥籠を持つ少女に呼びかける。
彼女は図書室に向かうところだった。
メイドはインコまで連れて行くのは大変なのではと気に掛けていた。
「…大丈夫」
少女は短い返事で終わらせその場を離れた。
メイドは微笑ましくその小さな背中を見届けた。
母「あら、どうしたの？」
メイド「奥様、あのA様が動物をよく可愛がっておりますよ。
何処に行ってもインコを連れて行くのですよ。
餌もちゃんと忘れずに与え、飼い主としての仕事を全うしてます。
…まあ、ちょっと餌をやり過ぎるところもありますが。」
母「そうですか！動物は人に癒しを与えるわ
インコを飼ったのは正解のようね」
メイドと母親は穏やかに笑った。
翌日も少女の行く先には側にインコもいる。
図書室、厨房、庭、寝室。
ずっと一緒にいた。
ある日の夜。
何処からか物音が聞こえた母親は目を覚まし、灯りを持って物音がする方へと向かった。
窓を見ると庭には黄色い羽根が落ちていた。
母親は不思議に思うも特に気にも留めていなかった。
音が聞こえるのは厨房からだった。
泥棒かもしれない。念のために用意したカッターをポケットに仕舞い恐る恐るドアを開いた。
するとそこには愛する我が子の後ろ姿があった。
母「あ、あら何をしているの？もう夜中なんだから早くね…なっ」
少女が振り返ったとたんに母親は言葉を失った。
表情も恐怖に満ち、涙が出ている。
それもそのはず、娘の手が血塗れだったのだから。
「あれ、お母様を驚かせようと思ったのに。残念」
さらにその手には皿があった。
__ずっと可愛いがってたインコの死骸を乗せた皿が。
母親は叫ぶことも怒鳴ることもなく、その場で恐怖心だけが煽る。
鳥の羽根は全て剥がれ皮一枚。腹がばっくりと切られ流血している無残な姿。
まさに地獄絵図、嘔吐したくなるような酷い有様だった。
「お母様に喜んでもらおうと料理してたの。
動物って食べるものでしょ？本で勉強したんだよ。料理。
厨房に入ってシェフの人から臭みが取れる調味料とか教えてもらったり、庭で毛を処理したり…
インコが太るまで餌もちゃんと与えたよ」
母親は愛する我が子が小さな殺人鬼に見えた。
とても恐ろしい存在に。
「ちょっと失敗しちゃった。」
やはり自分では駄目なのか。
母親は膝から崩れて落ち、嗚咽をもらした。
そして、今日も彼女は同じ顔。
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ナタデココ(プロフ) - 夢主の本性がどのようにバレるのか､果たしてバレないのか、今から楽しみです！！ (2016年9月13日 21時) (
レス) id: 67a39a2c5a (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー(プロフ) - 黒乃栖+眞姫那@虚飾.og66661akasim.liarさん» コメントありがとうございます！更新停止の予定は無いのでご安心下さい^_^ただ、学生であるため土日の方が多く更新することがあります。とても励みになりました！これからも頑張りますね( ´ ▽ ` )ﾉ (2016年9月10日 9時) (レス) id: a1258340ec (このIDを非表示/違反報告)
黒乃栖+眞姫那@虚飾.og66661akasim.liar - とっても面白かったです！更新頑張ってください!!応援しています!続き待ってます！更新停止だけはやめてください…！ (2016年9月9日 23時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモンティー | 作成日時：2016年7月25日 13時
