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私とクロ  ページ6

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 しん…、と静寂が場を支配する。その一方で、私の心は疑問で埋め尽くされていた。

 ほんとに何でだ…?一瞬前までは居なかったはずなのに。ついさっき来たにしても早すぎる。機動力が高い。某刀剣ゲームの忠犬へっしーか。って、こんなことはどうでもよくて。それに、クロと入れ替わるように、あの青年が姿を消している。ということは……___?

 さっきとは反対に、カーテンを閉めてみる。すると、クロが先ほどの青年に早着替えするように変化した。ひぇっと悲鳴が漏れる。だが手は離さない。逃がさん、絶対に逃がさんぞ。

「何しやがる…俺は日光とは向き合えねーのに…」
「え、怖。猫が人になるとか聞いてないんだけど。……あなた何なの?」
「冷静すぎて逆に怖ぇ…向き合えねー…。何って……___」

 ___心優しい、引きこもり吸血鬼…?

 青年──もといクロの言葉に首を傾げる。というかなんだ引きこもりって。もしやインドア派か。奇遇だな、私もだ。正確に言えば〆切に迫られて外で遊べないだけだが。そのせいで肌も病人並みに真っ白になってしまった。いや、病人よりかは健康的か?

「…………吸血鬼?なら何で日光で灰にならないの?何なら灰になるの?やっぱり波紋?波紋の呼吸法?」
「それ別作品の吸血鬼だろ…」

 至極冷静にツッコまれた。三徹目で頭パァンしてるんだよ。許してくれ。なんだったら土下座するから。あ、やばいこれ相当頭やられてる。

 顬をぐにぐにと揉みほぐして、クロに向き直る。

「吸血鬼だというのは…まあ、何となくだけど理解した。それで、あなたが今話題の通り魔?人を襲って血を飲むの?」
「はぁ?そんな死ぬほどめんどくせーこと、誰がするかよ」
「そう。ならいいや」

 頷いて、にっこりと微笑む。クロは顔を赤く染めてプイと顔を逸らす。童貞かな?(遠慮/Zero)

「でも、夜までには出てくからな……。あと、オレが人の姿の時に名前を呼ぶなよ」
「?私、あなたの名前なんて知らないよ?猫だと思ったからクロ(・・)って……」

 −−−ヴンッ
 私の右手首とクロの頸に青白い光が奔り、それが鎖のように繋がれると、僅かな残滓を残して消えた。

「…………アウト?」
「アウト」
「アウトか〜〜〜〜!!!!!」

 “名前”って私が付けた“名前”のことだったのか…とぼやいて、ため息をついた。面倒なことになった。


+++++
210hit突破、お気に入り登録者1人、評価2票(5.5/10点)、コメント
アザッス!!

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ツクモ@不定期更新(プロフ) - 紫音さん» コメントありがとうございます!生きる糧?!Σ(゚д゚;) 更新は不定期ですが、生暖かく見守ってくれれば幸いです! (2019年9月21日 8時) (レス) id: 7fd439868f (このIDを非表示/違反報告)
紫音 - 生きる糧にしてます!これからも頑張ってください! (2019年9月20日 18時) (レス) id: fb7e7bb8d2 (このIDを非表示/違反報告)
ツクモ@不定期更新(プロフ) - ウミソラさん» コメントありがとうございます!おっふ...光栄です.../// はい!更新頑張ります!!(更新が早いとは言っていない) (2019年8月29日 10時) (レス) id: 7fd439868f (このIDを非表示/違反報告)
ウミソラ(プロフ) - こんばんわ、ウミソラです!!読んで一発でお気に入りになりました!!!今後も更新頑張ってください!!! (2019年8月28日 18時) (レス) id: f06a1e9de4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ツクモ@不定期更新 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2019年8月28日 18時

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