【霧野蘭丸】優しさだけじゃたりません*゜ (ページ12)

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先　輩。 12 ページ12

霧野side

さっき神童と天野がぎこちなかったな。
ドリンク渡してなかった･･･。

そういえば二人って最近話してない気がする。
いや、天野が一方的に避けてるっていうか･･･？

「霧野先輩！今日もお疲れ様です!」

「あ、天馬か。ご苦労さん」

あと片付けをしていた。
天馬は一年の優秀なミッドフィルダー。

「霧野先輩ってAのこと好きなんですか！？」

「え･･･好きって言うか、なんというか･･･
俺は付き合おうとしてるけどあいつは振り向いてくれなくてさ」

何で広まってるんだよ。
そしたら他の女子が何かしてくる･･･。

「彼女はおちないと思いますよ」

「･･･え？」

「知らなかったんですか？
実は＿＿＿」

衝撃的な事実を突きつけられる。
神童と天野が付き合ってたこと。
そして、天野が少し変わってしまったことを。

「Aはすごい真面目で、神童先輩に気に入られたんです。
Aも成績がよくて、優しい神童先輩を好きになって二人は付き合い始めました」

俺が知らなかったことだ。
もしかして、俺が肺炎になって一ヶ月入院してた頃か？

「二人はお似合いで･･･誰もが二人を羨みました」

真面目な二人だからな。
きっと意気投合したはずだ。

「神童先輩は二年でありながらもキャプテンを立派に勤めていました。
ストレスをため込みながらも、Aの前では何事もないように優しくして･･
だけどそれが、Aにとって苦痛だった」

「苦痛･･･」

「Aは好きな人に何も出来ないことが嫌だったんでしょうね。
もっとストレスをぶつけてほしかったみたいなんですけど、神童先輩はそれが出来なくて。
二人はケンカをするようになってしまって、別れたんです」

･･･！

だから、俺の前で。
『優しくしても落ちない』

とか言ってたんだな。

俺はまだまだあいつのことを知らなかった。

他の女とは全てが違うやつだった。

＿＿＿＿俺のバカ。