172話 ページ33
なんとか佐伯の部屋に押しかけ、体温計を借りることができた。
そしてもちろん、その間も通話を切ることは許されなかった。
ていうかよく体温計持ってたな佐伯。
え、意外とみんな持って来てるもんなの？
引っ越し準備で、風邪引いたときのことなんて全く頭になかったんだけど。
「借りて参りました」
『今すぐ熱測れ』
「御意」
もう逆らったら爆豪が寮にやってくるかもしれないという恐怖から、どっかのロボみたいに言うことを聞く。
こいつがうちのクラスの寮に侵攻してきた暁には、私はクラスの子から距離置かれること間違いなし。
いきなり皆よそよそしくなる未来がはっきり見える。
ピピッと本日3回目の体温計の音が耳に入って体温計の表示を見る。
『何度だ』
「…37度5分」
『明らかに嘘だろ、その不自然すぎる間はなんだよ』
「いや！これは自分の予想がピッタリ合ってたことに驚いただけ、本当に37度5分だから！」
『じゃあ写真撮って送れ』
「そこまでする必要ある？体温分かったところでなんだって感じだしさ」
『送れ』
まじでなんなのコイツ。
私の体温なんてどうでもよくないか。
分かったところでお前が下げてくれんのかって話だし。
「…38度9分です」
『やっぱ嘘ついてんじゃねーか、全然高えし。つーか何が自分のことは自分で分かる、だよ。大外れしてんだろーが』
「さーせん。でも体温なんてどうでもよくない？聞いただけで熱下げられるスーパードクターだとでも言うのか」
『うっせえな。で、薬は飲んだのかよ』
なんか問診が始まった。
ほんとにドクター気取りかい。
「…飲んでないです」
『まず薬持ってんのか』
「それは持ってる、なめんな」
『なんで持ってんのに飲んでねえんだよ、アホか』
「さっきまで寝てたから！つーかなんなの、オカンか！なんで暴言吐かれなきゃなんないの。あんたに関係ないでしょ」
さっきから散々暴言を浴びせかけられたり、好き勝手命令されたり。
こっちはこっちで苦しんでんのよ、風邪に。
もともと見てたテレビもめっちゃ中途半端なとこで止めたままだし。
続き気になるんですけど。
等々いろんな文句が沸き起こってきて、ついヒートアップして、声を荒げてしまった。
やばい、これは口喧嘩の火蓋を切ったかも。
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まり - めちゃくちゃ面白いです…！一気読みしました。佐倉ちゃんの誕生日が自分と同じでテンション上がりました！ (2021年6月24日 14時) (
レス) id: 477cae400a (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ゆうさん» とても嬉しいです！応援ありがとうございます！頑張ります (2021年5月30日 16時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆう(プロフ) - いつも楽しく拝見してます、、！続編嬉しいです！完結まで応援してます！！完結しても読み返します！！ (2021年5月22日 11時) (レス) id: 1f46a5e721 (このIDを非表示/違反報告)
エルマー(プロフ) - ハルカさん» コメントありがとうございます。私の好きなタイプの子を書いてるつもりなのでそう言っていただけて嬉しいです！ (2021年5月11日 12時) (レス) id: 340dba18fb (このIDを非表示/違反報告)
ハルカ(プロフ) - こーゆう性格の主人公めっちゃ好き (2021年5月8日 14時) (レス) id: 6f3fd88438 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エルマー | 作成日時：2021年2月11日 7時
