恋バナあるところに私あり！【烏野】 (ページ4)

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恋の味ページ4

*

「それでさ、彼のことなんだけど…。」

遠くで恋バナをしている声が聞こえました。
私はすぐさまその人も元へ駆け寄ります。

『恋バナですか！？聞かせて下さい！』

「…え？…あぁ、あの有名な江口さん。…実は──。」

なるほど。この子のお悩みは好きな人に話しかけられないらしい。話しかけようとすると恥ずかしくなって逃げてしまう。

『なるほど…。その彼とは同じクラスですか？』

「そう。サッカー部なんだけどね。結構人気者でさ。」

『ふむふむ。もうこれは押すしかありません！！！』

これは押すしかないのです。話しかけなきゃ進展はしません！

「えっ？江口さん！？」

その子の手を引き、その彼の元へ向かいます。
彼はどうやら机に伏せて寝ているようです。

『今ならチャンスですよ！メアドくらい聞きましょう！私がおまじないをかけますから！手を瞑って下さい。』

私の言う通りに目を閉じる彼女。おまじないといってもただ勇気づけるだけ。結局はその子次第です。

『きっといけます。いつも通りに自然な感じで。話してみるとわかりますよ。』

「…よし！頑張る！」

その子はゆっくりと彼に近づきます。遠くからその子が話しかけている姿が見えました。
お悩み、解決です。

『今日もバッチリですね！』