赤目の少女と王子様～Part 2～ (ページ50)

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☆99話★ ページ50

ー翌日の部活ー

光くんの誤解も解いて、今日は久しぶりにいつも通りの平和で楽しい日を過ごした

はずだった……

私は今日も部室の鍵を閉めようと最後まで残っていたのだが…

『あれ？蔵ノ介さん帰らないんですか？』

もう全員帰ったと思っていたが、蔵ノ介さんだけ部室から出ずにいた

そして私を見るなり申し訳なさそうな顔で口を開いた

白石「（人2）…。ちょっと話しがあるんやけど、ええか？」

私は小さく頷き、蔵ノ介さんと向き合った

白石「さっき立海の練習試合に夏休みの最初に行くから親と相談しといてって言ったの、覚えとる？」

『覚えてますよ。毎年行ってるんですよね？』

白石「せや。それでその事なんやけど…」

蔵ノ介さんは一瞬ためらったが、意を決したのかゆっくり口を開き始めた

白石「（人2）は……

立海の練習試合に“来なくてええ”で」

『……え？』

(どういう…こと？なんで私は…ダメなの？)

突然のことに混乱してしまい、なんで？と頭の中で繰り返されていた

『わ、私なら大丈夫です！！自分に自信も持ててきましたし、立海には知り合いがいるので…だから』

私が言い終わる前に蔵ノ介さんは首を横に振った

白石「無理なんや…（人2）を…危険な目にあわせられへんのや…分かってくれ…！」

私の肩を震わせながら掴むその手を見て、私はもう何も言えなかった

でも1つ疑問に思ったことがある

『危険な…って、どういうことなんですか？』

蔵ノ介さんはさっきより長く黙りこんで考えていた

『お願いします！行かないにしても理由を聞かなきゃ納得できません！」

その言葉に蔵ノ介さんは小さく分かった、と呟き話し始めた

白石「実は立海に最近マネージャーになった奴がおってな、そいつの名前が……________。」

『うそ……』

一瞬周りの音が聞こえなくなった気がした

それほど…ショックを受けた

白石「そいつの名前が……“上代雪”なんや」

その言葉がいつまでも頭の中に残っている

(雪ちゃんが立海に…！？でもそれって…)

『…好都合じゃないですか』

思わず出た言葉に蔵ノ介さんは驚いている

『だって、雪ちゃんに私は今幸せなんだって見せしめるチャンスじゃないですか』(ニコ

蔵ノ介さんは数秒唖然とし、やがてせやなと短く答えた

白石「ほな…行くか！」

『はい！』

もう負けない_____

そう心に誓った