赤目の少女と王子様～Part 2～ (ページ40)

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☆89話★ ページ40

時間の流れはこうも早いものなのか…私は改めて感じた

寂しさと一緒に夕焼けが私たちを照らしている

…四天宝寺と氷帝の練習試合が終わったのだ

つまり…

ーー氷帝との別れ

『皆さん…お元気で』

私は涙を堪えながらそう言った

(またお別れをしなきゃいけないなんて…)

泣きそうなところを見られたくなくて俯いているとポンッと私の頭や肩に手を置かれた

きっと氷帝のみんなだ

(こんなことされたら…余計に泣きたくなっちゃうのに…)

そう思うとわなわなと全身が震えて、涙が目に溜まってくる

すると、岳人さんが最初に口を開いた

向日「別によ、一生会えないってわけじゃないんだぜ？ほら、このネックレスお前にやるよ。お守りがわりにさ！」

ポンポンと私の頭を叩きながら岳人さんは羽の飾りがついた銀色のネックレスを首にかけてくれた

(岳人さん…一生懸命集めてたのに…私なんかに…)

『私なんかの…ために…す、すみませ…』

私は何かが崩れたようにブワッと涙が溢れてきた

そんな私に侑士さんはこっそり耳打ちをした

侑士「素直に貰っとき。岳人も寂しいんや。今日ぐらいカッコつけさせたり」

その言葉にチラッと岳人さんを見ると、確かに何処か寂しそうだった。その姿が見てられなくて…

だから私はそっと手を添えながらこう言った

『岳人さんありがとうございます！これは私の大切な宝物です。大事にします！』

私がそう言うと照れ臭そうにおう、と笑った

そして、他のみんなも私に慰めの言葉をかけてくれた

宍戸「岳人の言う通りだぜ。またすぐ会えるって！心配すんな」

鳳「そんな顔しないでよ（人2）ちゃん。俺まで泣きたくなっちゃうよ」

滝「可愛い笑顔が台無しだよ？大丈夫。側にいるから」

日吉「そんなに泣かれるとこっちが困るだろ。…次会うのを楽しみにしてるからな」

樺地「また…会える日まで」

跡部「離れていても俺たちは“仲間”だ。それを忘れるな」

みんなの言葉一つ一つに比例しているかのように、私の涙は溢れてくる

(あぁ、こんなにも私は…幸せ者なんだ)

今の私は涙で顔がぐちゃぐちゃだ

だけど氷帝のみんなを見ると自然と…

ー笑顔になる

ありがとう。

(みんながいてくれたから私は…ここでも自分らしくいられる)

そう心から感謝した

そんな中、蔵ノ介さんが口を開いた

…

…

…

白石「芥川くんはどこにおるん？」