赤目の少女と王子様～Part 2～ (ページ36)

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☆85話★ ページ36

“上代雪”

私が一番聞きたくない名…。

(何故その名を…口にしてるの…？)

頭が真っ白になるのを堪えながら必死に耳を傾けた

だが廊下を通る涼しい風が邪魔をしてうまく聞き取れない

跡部「上代……に……う…いる」

白石「そう…な……（人2）は…方が…な」

蔵ノ介さんから私の名前がでてきた

(私？…なんだろ、うまく聞き取れない)

もう少し近くに寄ろうとこっそり中庭に入った。しかし…

バキッ

『……っ！？』

しまった…！木の枝を踏んでしまったのだ

しかもそれに驚いてしまい、足がもつれてドンッとしりもちをついてしまった

跡部「…おい！誰かいるのか！」

やはり気づかれてしまった。どんどん足音が近づいてくる

(ヤバイ！見つかる…！)

私はとっさに体制を立て直し、校舎の中へ急いで逃げた

『ハァ…ハァ…』

靴を手に持ったまま校舎に入り、すぐそばの女子トイレに入った

運良く校舎の入り口から遠くない位置にいたのでバレずに入ることができたようだ

(しばらくここで隠れてよ…)

心を落ち着かせながら私は入り口のドアを背にヘナヘナと座り込んだ

そのドアの向こうに人が待ち構えているとも知らずに…