【文スト】柊家の養子は、文スト世界にトリップしたようです。【終わりのセラフ】

43話:お願い ページ48

Aside




それから、ぼんやりと廊下を歩いていると
後ろから声をかけられた



太「あ、Aちゃん丁度いい所にいたね♪」

『太宰さん、どうしました？』




太「実はね、すぐに行って貰いたい所が
あってね〜、お願〜いAちゃん！」


ニコニコと微笑み乍
そう頼んでくる太宰さん




『いいですけど、何処にですか？』

太「ふふ、このメモに書いてある場所に
行って欲しいのだよ」




と言い乍ポケットから半分に折ったメモ用紙
出して渡してきた



それを確認すると
簡単に地図が書いてあって
目的地が何処か書かれていた

路地裏の様な所かな？




太「大丈夫、私も後から行くから
Aちゃんは今すぐ其処に
行ってくれないかい？」


『了解です』




そう短く返事を返して
階段を降りて事務所から出た









急いだ方がいいかな？
理由聞くの忘れちゃったなぁ


そう思い乍メモを確認し乍移動する


そんな遠い訳じゃないね




そう思って地面を蹴り走っていく






が、矢張いつもの様には中々行かなかった


時間帯の所為なのか
はたまた元々人が多い所為なのか

思うように早く行けなかった





軽く舌打ちをして

人通りの少ない路地を見つけようとして
辺りを見渡し



移動...





しようとしたのだが



其処で人とぶつかってしまった

相手は男性だった
ぶつかった拍子に手に持っていた本を
落としてしまった様で






らしくないなぁと思い乍
本を拾い上げて相手に渡した

中々分厚い本で重かった




『すみません大丈夫でしたか？
急いでいたもので...』



そう謝罪してお辞儀をし
その場から離れた









そのぶつかった相手は
面白いものを見つけたと云わんばかりに

笑みを浮かべていた事にその時私は



気付かなかった









、









、









、









薄暗い路地に入った

光があまり入らない所為なのか
心なしか少し気温が低い気がした





やはり此処は人が居ないから
移動しやすいな

好き勝手出来る




そう思い乍地面を蹴り、飛び上がり
更にもう一度壁を蹴って
路地を挟んでいる建物の上へと移動した




視界が明るくなり
風が頬を撫でる







『で、此処から南西に行けば目的地か』



手に持っていたメモ用紙を
外套の内ポケットにしまって

建物と建物の間を軽やかに移動していく




こんな綺麗な街を移動するのなんて
何年ぶりだろうか








心地好い風が吹く中、目的地であろう
場所に着いた

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