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「吸血鬼を増やすのは勝手だが、私の血を使うのは関心しない」
「ですよね、言うと思ってました。でも、Aがそう望んだなら俺は叶えなきゃいけないんです」
「今さらだが、お前は随分あの娘に毒されたな」
呆れ半分のウルドにため息をつかれたが、肝心の返事になるような言葉は得られていない。
従って説得は継続だ。
「別に毒された訳じゃないですよ」
「吸血鬼らしくないな」
「そうですかねー？」
Aは確かに可愛い。
かといって彼女と過ごす中で人間を家畜として見ていないかと言われればそうじゃない。
勿論、他の吸血鬼と同様に血は定期的に口にするし、渇いている時に人間の集落に行こうものなら、手近な人間の首をへし折るまでかぶり付きたい、だなんて思ったりもする。
吸血鬼としての狂気もそうだが、人間の命を軽んじているのはいつもの事で、Aのように大切にした試しがなかった。
彼女が人間だからと言って他の人間に容赦するつもりも今後ない。
何なら、どんなに彼女と良い仲になろうが関係のないことだ。
従って吸血鬼らしさを捨てた、忘れたという訳ではない。
ただ、辛うじて残る心と吸血鬼の主な感情である執着が全てAへ傾いているため、突出して見えてしまっているだけだろうと思う。
「たった一人の小娘を連れ回して、その小娘と一緒に揃って私を困らせるのはお前の常套手段だろう」
「困らせてなんてないですって〜」
思い当たる節は無いわけではない。
でもここで折れた所で何かが始まる訳でもなかった。
「Aがウルド様の血を望んでる。それだけですよ。本当は俺のを飲ませてやりたいし、ウルド様のものだってAの口に入るって考えただけで少し冷静さを失います」
「……はぁ」
「俺のもの以外がAの糧になるの嫌ですし、ウルド様も男じゃないですか。これが女の吸血鬼だったら少し話は違っていたかもしれませんけど…いや、やっぱりダメだなぁ」
「面倒くさいぞ。ルク」
「でも、俺のだとAにとっては役不足だし仕方ありません」
なので血を下さい。とはっきり言い切った。
これが唯一のAの望みであると、まるで子供のように駄々をこねる自身に言い聞かせながら、ちっぽけな嫉妬や独占欲なんてものを抑え込む。
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ぽっぽ(プロフ) - 続きが楽しみです！！！ (2021年3月22日 23時) (
レス) id: 16e5bc7bb2 (このIDを非表示/違反報告)
mami20030804(プロフ) - ルク様の小説がなかなかなくて悲しかったのですが、久々に占ツクを開いてみたら面白そうなお話が上がっていたので読んでみると本当に面白くて最初から最後まで1日で読んでしまいました。毎日今日は更新してるかなと気になって毎日開いています(^^) (2021年3月10日 22時) (レス) id: be7fc41ca8 (このIDを非表示/違反報告)
ゆりりん(プロフ) - 続きが読みたい!!（クソデカボイス） (2021年2月5日 7時) (レス) id: 9679665185 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2021年1月25日 1時
