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「いやー、流石に今回は寿命が縮んだー」
そう言いながら、自室ではない場所のソファにごろんと横になる。
この部屋の主はそれを咎めようともせず、ため息をついて彼の独り言のような呟きに応じた。
「育てたのは誰だ」
「俺でーす」
「なら責任を持つ事だな」
「…でも、こんなことになるとは想像できませんよー。俺が大好き過ぎで俺至上主義な所あってもそんなに目立つほどでもなかったし」
ソファに座り直し足を組んだルクに対し、ウルドも書斎机の後ろにある窓から外を見るのを止め、自らの椅子につく。
彼は仕方なしに弟のこの話題に応じる姿勢のようだ。
「…でも、おねだりと食べられてもいいやってのは可愛かったんでーまぁ…」
「あれだけの騒ぎ起こしておいて安易に許されるとでも思ってるのか」
「大目に見てあげてくださいって。Aもこんなに…」
「私はお前の事を含めて言ってるつもりだが？」
ウルドがそう一睨みするとルクはわざとらしく「うわー怖い」と声を上げた。
彼はわかっていて道化を演じるのだ。
ウルドが心の底では真にAを気にかけており、目が離せない小娘だくらいには思っていることに。
ウルドもまた、取り繕ったところでルクにそんな小細工が通じるとも考えていない。
「…小娘の所へ戻らなくていいのか」
「さっきやっと眠ったところなんで、大丈夫です」
「お前は何をしに来たんだ」
ルクは表情に乏しい吸血鬼とは思えないほどに、にこりと笑った。
「レスト・カーからAを庇ってくれてありがとうございました。助かりました」
その一言でウルドは今やっと思い出したと言わんばかりに反応した。
その後の出来事が遥かに強烈すぎて忘れかけいたが、その一件も確かに彼と絡んでいた。
少々感情的になりやすい第三位始祖を宥めるのはとても骨が折れる。それはいつもの事だが。
彼の意識を人間の小娘から無理矢理に引き剥がすのも少し苦労した。
ウルドは生来、こういった他人を操る術を苦手とする。得意なのはどちらかというとルクなのだが、今回に限って力関係が悪すぎた。
よってウルドが出ざるを得なかったというわけである。
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こんぺいとう(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます！新しいものはあと一週間くらいで公開できるかと思いますので、もう少しお待ち下さい〜！ (2021年1月21日 20時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぽ(プロフ) - おもしろくて勢いよく読みました！！！続きが楽しみです！ (2021年1月20日 9時) (レス) id: f5136f3fcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年11月8日 21時
