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Aはルクに体を寄せた。
それを困り顔で受け止めたルクはくすりと笑う。
「おーなんだなんだ、そんなに俺が恋しいかー。そうか、そうか」
「んぐ…」
ぎゅうぎゅうと力加減なしにAを抱きすくめた彼はまるで人形やぬいぐるみを愛玩するかのごとく。
それはそれで離れ離れだった時間を埋めるかのようで嬉しいのだが、体のあちこちが軋む。
苦しげに声を上げ、ルクの服を引っ張ればある程度解放してくれた。
といっても、まだまだ彼の腕の中である。
「まあ、結構酷いことされてたし、眠れないのも無理はないな…」
「気にしてないよ」
「駆けつけるのが遅かったらと思うとゾッとする。俺が見たこと無い顔をしてた自覚無いだろ」
恐怖に滲み、絶望が浮かぶ瞳。
そんな思いをさせたくなくて大切に育て、守ってきたというのに、意図も簡単に打ち壊された。
相手は上位の者ということもあり、強く言える立場には無かったもののウルドが上手く立ち回ってくれたことで牽制はできた。
だが、それはルク一人ではなし得なかったことだ。
「体に傷がつかなくてよかった、ほんと」
そう言ってルクはへにゃりと笑った。
「今日はここで寝るか」
「いいの？」
「落ち着かないんだろ」
その言葉に頷きながらもAは僅かに緊張した。
彼と共に眠るのは実にあの日以来であった。
それまでは当たり前に体を寄せあって眠っていた筈が、全て激変したあの日。
一度たりともあの出来事を忘れたことはない。
「A、少しだけやらないといけない事があるから先に横になって待ってろ。すぐにいくから」
「わかった」
「あ、寒かったら適当に部屋の気温調整しろよ」
そう言って投げ渡されたのは暖房器具のリモコンだった。
もしかしたら電源を入れて部屋を温めるまでしなくとも良いかもしれない。
ほんのりと頬が上気したままのAは部屋の端にあるベットへ向かった。
慣れたはずのこの部屋が緊張のせいで見知らぬ部屋に来たかのような心地がする。
変な期待をしてはならないと落ち着かせるも、布団に潜り込めば自室のものとは違う香りがしてさらに落ち着かない気持ちになった。
早くルクが来てくれないかと逸る気持ちもある一方、気恥ずかしくて仕方がなかった。
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こんぺいとう(プロフ) - ぽっぽさん» ありがとうございます！新しいものはあと一週間くらいで公開できるかと思いますので、もう少しお待ち下さい〜！ (2021年1月21日 20時) (
レス) id: 61b77cc65e (このIDを非表示/違反報告)
ぽっぽ(プロフ) - おもしろくて勢いよく読みました！！！続きが楽しみです！ (2021年1月20日 9時) (レス) id: f5136f3fcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：こんぺいとー | 作成日時：2020年11月8日 21時
